ダイエットにおすすめの食品は、茶碗蒸し!? 体を変える「アミノ酸食事術」

健康・美容

公開日:2023/4/26

茶碗蒸し

 仕事が忙しくて疲れが抜けない。いろいろなダイエットに挑戦しているけれど、どれもうまくいかない。あるいは、日々を健康に過ごすために免疫力を高めたい。これらの悩みや希望を解決する鍵は、“アミノ酸”にある! そういったら、皆さんは少し驚くのではないだろうか。

こう食べれば身体が変わる アミノ酸食事術』(加藤雅俊/講談社)は、アミノ酸がもつ力をわかりやすく解説してくれる一冊。どの食品や食材を食べれば、脂肪を燃焼しやすくなったり、免疫力がついたり、ダイエットに効果的なのかを、具体的なメニューとあわせて教えてくれる。

「なんでアミノ酸!?」と思う方もいることだろう。そんな方のために、ここでは本書の一部を紹介していこう。

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人の体を作るもの、それがアミノ酸

 アミノ酸という言葉は知っていても、人の体のなかでアミノ酸がどんな役割を果たしているのか? それにきちんと答えられる人は少ないだろう。

 我々の体、つまり筋肉や皮膚、血管、髪の毛、爪など、体のほとんどの組織はアミノ酸で作られているのだという。

アミノ酸のひとつひとつは目に見えない小さなものですが、それがさまざまに組み合わさってあらゆるパーツ(髪や皮膚、脳、ホルモンなど)となり、私たちの体を動かしています(p32)

 アミノ酸のうち、人間にとって必要なものは20種類あり、さらに、人の体内で作ることができる「非必須アミノ酸」(11種類)と、体内で作ることができず、食事から摂取しなければならない「必須アミノ酸」(9種類)の2つに分類されている。

 例えば肉を食べたとき、アミノ酸は消化器官で最小単位にバラバラに分解され、そのなかから人間の体に必要な栄養成分だけが吸収され、血液の流れに乗って必要な場所に運ばれ、あらためて必要な形に再生されるのだという。

 この、人の体を作る働きに加えて、アミノ酸には他の働きもあるという。

・脳内ホルモンや神経伝達物質の生成
・筋肉を作る
・免疫力アップ
・血流促進
・睡眠の質の改善
・美肌効果

 人の体は食べたもので作られている。だから、普段から食べるものに気をつけることが大切だとよくいわれるが、文字どおりそれが当てはまるケースといえるのではないだろうか。

ダイエットしたい人におすすめなのは、茶碗蒸し!?

 アミノ酸を効果的に摂取するための指標になるのが、その食材が人のたんぱく質要求量の何パーセントを満たすかを示す「プロテインスコア」だという。これは、人間の肌や筋肉を作るときに必要なアミノ酸がどれくらい入っているかを表す数値。これを目安に、肉や魚、卵、豆類など、バランスよくアミノ酸を摂ることが大事なのだという。

 例えば、牛肉や卵、乳製品などを多く摂取すると、筋肉がつきやすくなったり、髪や皮膚が潤ったりしてくるのは、すべてのアミノ酸をバランスよく吸収できるため、体に必要なものをしっかりと作ることができるからなのだという。

 その前提を踏まえたうえで、本書ではタイプ別におすすめのアミノ酸メニューも紹介されている。

 例えば、「イライラ、ストレス過多の人」におすすめのメニューは、「豚汁」。その理由の1つは、豚肉に含まれるトリプトファンというアミノ酸が神経伝達物質の材料で、鎮静作用があり、イライラや怒りなどの興奮した感情を落ち着かせてくれるからだという。

「ダイエットしたい、身体を引き締めたい人」に合うのは、「茶碗蒸し」だ。食欲を抑制するアミノ酸・ロイシンは肉や卵に多く含まれていて、脂肪細胞からの脂肪分解を促進するアミノ酸・ヒスチジンは、カツオに豊富に含まれている。この2つをあわせて摂ることができるのが、かつお節のだしを使った茶碗蒸しだからだという。

「髪の毛のトラブルが気がかりな人」におすすめなのは、「担々麺」。髪の毛の健康を保つアミノ酸として重要なメチオニンが豚肉に含まれていて、不足すると抜け毛を引き起こすのだそう。髪のバリア機能を高め、潤いを閉じ込める働きがあるアミノ酸・シスチンは、ゴマやピーナッツに多く含まれている。だから、豚ひき肉とゴマ、ピーナッツを使った担々麺を食べることで、髪の毛トラブルのケアが期待できるのだという。

 現代を生きる人々は、ストレスや無気力、ダイエットや睡眠不足など、さまざまな不調を抱えている。そうした不調をアミノ酸の働きを知り、効果的に摂取することで解決できるのだとしたら、とても便利で、継続しやすいものになるだろう。日々の不調を減らし、健康的な毎日を送りたいと考える方に、ぜひ参考にしてもらいたい。

文=井上淳

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