サラリーマンの第二の人生を指南!セカンドキャリアを見据えるビジネスパーソンに新しい選択肢を作る『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』

ビジネス

公開日:2023/8/26

いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい
いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和/講談社+α新書)

 投資や資産形成への関心が、ますます高まりつつある現代。将来的なセカンドキャリアも見据えるビジネスパーソンへ、新たに「会社を買う」という選択肢を与えてくれるのは、書籍『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和/講談社+α新書)である。

 会社は「まさに、いまが買い時」と主張するのは著者だ。起業とも異なる「オーナー社長」の選択肢、そして、「労働者側」から「資本家」になるための道しるべを示す。

個人レベルのM&A環境が整ってきた

 唐突に「会社を買う」と聞いても、いまいちピンと来ないかもしれない。しかし、メリットはある。例えば、会社のオーナー社長になれば代表としての「役員報酬」に加え、「株式の配当金」を得られるようになる可能性もあるのだ。

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 さらに、起業とも意味合いは異なる。今から「資本金300万円で会社を作って、その会社を順調に成長させ、上場して大成功」できる確率は、高いとは言えない。

 一方、「中小企業が金融機関から融資を受ける際に、経営者個人が会社の連帯保証人になる」という「経営者保証」が見直され、後継者不足などの事情もある企業での「事業承継の円滑化」を目的として「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(経営承継円滑化法)が施行。

 また、手元のスマホでも個人レベルで「M&A(企業の合併、買収)」の情報を収集できるようになった変化も大きい。アプリをはじめとする「スモールM&Aのプラットフォーム」も普及してきた現在はまさに、会社を買うための「最大にして最後のチャンス」だという。

当たり前の会社員経験は経営に生かせる

 環境が整ってきたとはいえ、会社員経験しかない自分に“経営なんて、できるのか…”と考える人もいるだろう。しかし著者は、大手企業や中堅企業での勤務経験があれば「経営するノウハウ」はすでにあると背中を押す。

 例えば、今勤務している会社で無意識にも「組織力を高めるチームビルディング」や、後輩や部下の「モチベーションを高める仕組み」を考えてきた経験があるならば、その意識は会社の「マネジメント」にも活用できるのだ。

 実際「ある程度の規模の企業で中間管理職を務めてきた人」なら、「従業員が数十人規模の会社であればマネジメントできる」というのが著者の持論だ。

 日々の業務で「在庫を洗い出して整理する」「仕入先から見積りを取り直す」、「名刺管理システムを導入する」といった、いわば「当たり前」を実践してきたなら、社長になるのも夢ではない。買収した企業の課題を「やり慣れたやり方」で改善していけば、やがて成長させられる可能性もあるのだ。

 この他、会社の「購入から売却までのフロー」や、買収するべき会社の見極め方などを、詳細に学べる本書。数年後、あなたがオーナー社長として大成する姿が見えてくるだろう。

文=カネコシュウヘイ

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