「外食文化の国」マレーシアで有名な4大料理って何? 絶品ローカルグルメがわかる最新レストランガイド

文芸・カルチャー

公開日:2024/3/5

現地在住日本人ライターが案内する 魅惑の食文化 クアラルンプール・マラッカ・イポー
現地在住日本人ライターが案内する 魅惑の食文化 クアラルンプール・マラッカ・イポー』(栁澤 順子/東京ニュース通信社)

 マレー系、中国系、インド系などで構成される多民族・多宗教の国マレーシアは、「外食文化の国」として知られている。フルサービスのレストランから、昔ながらの屋台街まで、お店がとても充実しており、料理の種類も驚くほどバラエティ豊かだ。

 マレー料理、中華料理、インド料理、ニョニャ料理がマレーシアの4大料理とされ、これらを中心に多彩な味が広がっている。

 マレーシアを旅して、ローカルごはんが食べられる老舗やおしゃれなカフェ、少し贅沢なレストランに行ってみたい人におすすめしたいのが、2024年1月31日に発売されたガイドブック『現地在住日本人ライターが案内する 魅惑の食文化 クアラルンプール・マラッカ・イポー』(栁澤 順子/東京ニュース通信社)だ。

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 高層ビルが立ち並ぶ首都・クアラルンプール、昔ながらの暮らしが残る世界文化遺産の街・マラッカ、スズ鉱業で発展を遂げた歴史を持つ街・イポーを中心に、地域ごとに異なるマレーシアの食が、現地在住の著者により、きめ細かく取材・執筆されている。

クアラルンプール(Kuala Lumpur)

 クアラルンプールの章では、ロティチャナイ(パイのように薄い層が重なる平たいパン)を食べられる食堂、絶品ローストダックライスを食べられる老舗店、クラシックで上品なマレー料理を味わえるレストランなど、著者が厳選したお店が紹介されている。

数百円で食べられるB級グルメから高級感のあるレストランでのディナーまで、さまざまな価格帯のお店が選ばれており、マレー系・中華系・インド系が網羅されているのも多文化が共存するマレーシアらしい。

マラッカ(Melaka)

 マレー半島の南部にあるマラッカは、東西交易の拠点として600年以上もの歴史を持ち、東洋と西洋の文化・習慣が共存する街だ。本書のマラッカの章では、ババニョニャ(中華系男性とマレー系女性の子孫)が作るニョニャ料理や、色鮮やかなニョニャクエ(お菓子)が紹介されている。

 私は5年前にマラッカを訪ね、ニョニャクエを食べた。鮮やかなカラーリングに驚くかもしれないが、すべて自然由来の原料が使われている。「グラムラカ」というヤシ糖はどこか黒糖にも似たコクのある素朴な甘さで、もち米とパンダンリーフ(ハーブの一種)の汁、パームシュガーを混ぜた伝統菓子「オンデオンデ」は日本人の口にもよく合う。

イポー(Ipoh)

 クアラルンプールの北約200kmに位置するイポーは、かつてスズ鉱業で栄えて大発展を遂げた都市。素朴で懐かしい街であり、人口の6割以上を中華系民族が占めている。

 本書のイポーの章では、イポー名物のもやしとチキンを食べられる「コピティアム」と呼ばれる中華系の屋台が数軒集まる喫茶店や、2019年にリバイバルしたマレーシア最古のレストランバーなどが紹介されている。イポーっ子なら誰もが知るフライドヌードル専門店や、地元のおじさんたちが集うホワイトコーヒーの名店も魅力的だ。

『現地在住日本人ライターが案内する 魅惑の食文化 クアラルンプール・マラッカ・イポー』は、美しい写真とわかりやすい説明が掲載されており、マレーシア旅行が初めての人も、リピーターも、マレーシアへのロングステイを考えている人にも役立つ本だ。

 住所や営業時間、定休日、クレジットカード決済の可否といった情報のほか、いくつかの料理は金額も載っているので、実際に行くときに重宝するだろう。コロナ禍を経てマレーシアのレストラン事情も変わっており、古いガイドブックを持っていくとお店がなくなっていることもありえるが、本書は2024年1月に発売された最新のガイドブックなので安心だ。

 マレーシアが好きな人、旅の楽しみは「食」という人は、ぜひ読んでみてほしい。

文=ayan

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