千年の時空を超える極上恋愛エンターテインメント
更新日:2012/3/7
2011年12月公開の映画「源氏物語 千年の謎」の原作です。
藤原道長に任命され、彰子中宮の女房として御所勤めをすることになった紫式部。しかし道長の本当の目的は、紫式部の書く物語を戦の道具にすることでした。
物語も女も戦の道具にする道長に反発心を持った紫式部は、逆に物語をとびきりの道具にしようと考え、道長に対して挑戦するような物語を書くようになります。
私が面白いと思ったのは、現実の世界と物語の世界が交錯することです。現実の世界にいるはずの安倍清明が源氏物語の世界に入り込んだり、逆に物語の世界の光源氏が現実の世界に出てきて、紫式部と対面したりします。
作者と物語の登場人物って、ある意味すごく関係は深いと思うんですけど、実際に両者が対面することって不可能じゃないですか。でもこの作品では光源氏が現実の世界に登場して、紫式部に恨みを伝えるんです、なぜあなたは私に、こんな運命を与えたんだって。自分と関係を持つ女性たちが次々に不幸になることに、とうとう光源氏は耐えられなくなってしまったんですね。この作者と登場人物の対立が、とても面白いと思いました。他にも夕顔の正体にびっくりしたり、道長と紫式部のやりとりにドキドキしたり…。この先どんな展開になるんだろう? と思いながら、一気に読んでしまいました。
オリジナルの源氏物語を読んだことのある方も、そうでない方も、楽しめる作品だと思います。
和歌に現代語訳がついているので、とてもわかりやすいです
ふりがなは、拡大すると読みやすいです
文字サイズを自分で選べるのも電子書籍の大きな魅力です。これは大きいサイズです
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