子育て上手のカギは「会話」! わが子へのモヤモヤも自分へのモヤモヤも吹き飛ばす、心理学に基づいた最新の育児書

暮らし

公開日:2024/4/20

心理学に基づいた0歳から12歳
心理学に基づいた0歳から12歳 やる気のない子が一気に変わる「すごい一言」』(竹内エリカ/KADOKAWA)

「子どもに勉強してほしいけど、どう言えばやってくれるんだろう?」

「子どもに対してついイライラしちゃう自分が嫌になる」

 子育てするパパやママには、このような悩みや不安を持っている方も多いのではないでしょうか。

 そんな悩みを解決してくれるのが、『心理学に基づいた0歳から12歳 やる気のない子が一気に変わる「すごい一言」』(竹内エリカ/KADOKAWA)。パパ、ママによくあるお悩みとその対処法を、長年発達心理や行動科学を研究してきた著者・竹内エリカ氏がわかりやすく解説しています。対処法が、子どもの年代別に紹介されているのも嬉しいところです。その一部をご紹介しましょう。

テキスト
著作者:our-team/出典:Freepik

advertisement

「子どもと話す時間が短くて不安」という悩みには、「1日10分の法則」が効果的

 働くパパ、ママの多くが持っているお悩みに、「なかなか子どもとゆっくり話す時間が持てない」「コミュニケーション不足でちゃんと育つか心配」というものがあります。

 著者の竹内さんいわく、働いている親御さんが働いていない親御さんと同じようにできないのは当たり前。子育てに専念している親御さんを100点だとしたら、仕事と子育てを両立しているのですから、50点とれれば充分。逆に、仕事に専念している親御さんを100点だとしたら、仕事だけでなく育児もしているのですから、50点とれればいい、とのこと。つまり、どちらの親御さんも50点を目指せばいいわけです。

 それでもやっぱり不安だという人に竹内さんがおすすめしているのが、「1日10分の法則」。1日10分だけ、何かしながらではなく、真正面から向き合って子どもの話を聞くというものです。忙しくてつい「はい、はい」と受け流したり「あとでね〜」とその場で向き合えなかったりすることも多いですが、「10分だけ話を聞く」と決めれば実践しやすくなりますよね。

テキスト
著作者:asierromero/出典:Freepik

 子どもが0〜2歳児なら、まだ十分に会話はできない時期ですから、心がけるべきは1日10分“遊ぶ”こと。スマホを見たり家事をしたりしながらではなく、子どもを優先して、目線を子どもと同じ高さに揃えることが大切。子どもが喜んだことに対して「できたね!」のようにリアクションしてあげることも大切だと、竹内さんはいいます。

 3〜6歳児であれば、幼稚園や保育園から帰ってきたときが一番話をしたがるタイミング。親からすると、ちょうど夕食の準備をする忙しい時間帯ですよね。このときに向き合って話を聞いてあげるのがベストですが、難しければ、お風呂の時間もおすすめ。肌と肌が触れ合ってリラックスできるので、本音が話しやすい時間なのだそう。また、眠る前のうとうとしているときが一番潜在意識に入りやすいため、寝る前の時間でもOK。このときに「あなたのことが大好きよ」「明日もいい日になるよ」とポジティブな言葉をかけてあげると、子どもの心に響くのだといいます。

 7〜12歳になると、部活や習い事、塾などで忙しくなる時期でしょう。話すタイミングもなかなか合わなくなってきますが、大切なのが家族で話す時間をあえて作ること。朝ごはんの間は家族そろって話をしながら食べるとか、夕食の間はしっかり話を聞いてあげるとか、食事の時間を活用するといいそう。塾通いなどでそれが難しければ、週末に時間をとるなど、その子の生活スタイルに合わせた時間のとり方を。兄弟がいる場合は、ひとりひとり時間をとるのもポイントだそうです。

 いかがでしたでしょうか。1日たったの10分なら、すぐに実践できそうな気がしませんか? 本書はお悩みと対処法がひと目でわかるようなレイアウトになっており、パラパラとめくってみるだけでも心がスッと軽くなります。子どもとのコミュニケーションに悩んでいる方や子どもに対する自分の態度にモヤモヤを感じている方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。

文=平井薫子

竹内エリカ
たけうち・えりか●幼児教育者。一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長。2児の母。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。20年にわたり大学機関にて子どもの発達心理や行動科学について研究し、延べ20,000人もの親子と関わる。育児関連商品・知育玩具などの監修をはじめ、育児・教育の専門家として活動。

あわせて読みたい