英語を学ぶのは最後でいい!?――あなたに英語は本当に必要なのか?

ビジネス・社会・経済

2011/10/19

日本人の9割に英語はいらない

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 祥伝社
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:成毛眞 価格:864円

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「日本人の9割に英語はいらない」という、英語コンプレックスを持つ日本人にはなんともそそられるタイトルの本。
著者の成毛眞さんはみなさまご存じのとおり、元・マイクロソフト日本法人の社長であり、御本人はもちろん1割にあたる英語が必要な人物です。とはいえ、成毛さんは転職でマイクロソフトに入り、仕事で英語が必要な環境に置かれるまでは英語がほとんど話せなかったというのですから驚きです。

本書ではまず、日本人の多くになぜ英語が不要なのかが懇切丁寧に語られます。「頭の悪い人ほど英語を勉強する」、「創造力のない人ほど英語を勉強する」、「『使える英語』をどこで使うのか?」と目次には一見“挑発的”なタイトルが並びます。

成毛さんが伝えたいことは単純明快です。ビジネスやその他さまざまな場面にも対応できる真の英語力をつけるには莫大な時間と労力が必要であり、実際に外資系企業ですら、トップ3%程度の人しか英語が必要でないということを考えると、英語を習得することにそれだけの時間と労力を費やすのは無駄だということです。それよりも、本を読み、さまざまな知識をつけることの方がビジネスマンとしても、また一個人としても重要だというのです。

英語コンプレックスを持つが故に、英会話スクールのカモになったり、TOEICを妄信したり、子供に早期英語教育を受けさせようとする昨今の風潮に、著者は警鐘を鳴らします。英語の学習は基本的には暗記につきるという点を考えると、英語の習得に莫大な時間を費やしてしまうことで、「思考を磨く」、「真の教養を身につける」といった大切なことがないがしろにされてしまうのを危惧しているのです。

英語が必要な人というと、国際的に活躍するビジネスマンというイメージを持つかもしれませんが、本書では、外資系企業のトップ等と並び、観光地の店員、ハイヤーの運転手等もあげられており、それぞれが必要なレベル、用途の英語を学ぶことの重要性が説かれます。

英語が多くの人に不必要という成毛さんの主張は説得力があり、本書を読んでいると、「私には英語は必要ないに違いない」と妙な安堵感を覚えたのですが、終章の「成毛流英語学習法」を読むと、なぜか、やはり使える英語をものにしたいと思ってしまいました。やはり、日本人特有の英語コンプレックス故でしょうか。英語学習に関心のある方にお勧めの1冊です。


第2章では英語を社内公用語にしている企業の愚かさが、やや辛辣にユーモアも交えて説かれており、なかなか楽しめます

第5章では、「英会話より読書」と力説する成毛さんによる、厳選書籍12冊が紹介されています

910時間――これは中学と高校における英語の年間授業時間数の合計時間だそうです。数字にしてみると、やはり莫大な時間ですね