現代のデビルマン見参!むき出しの人間同士の悲しくも壮絶な闘い!!

更新日:2015/3/18

リバーシブルマン

ハード : 発売元 : 秋田書店
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:ナカタニD 価格:※ストアでご確認ください

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 皆さんはどんな欲を我慢して生きていますか? 現代人にこう聞けば、みなさんスグに○○を我慢していると思い浮かぶのではないかと思います。あれも我慢コレも我慢。なにかと強いられる世の中です。とはいえ、我慢するのは社会でうまくやっていくのに不可欠なこと。自分の欲を優先して多数に迷惑をかけるわけにはいきません。あるいは自分を守るためには、我慢をせざるを得ないということもあるかもしれません。ともあれ、我々は仕方なく色々な我慢をしながら生きているわけです。

 我慢するからこそ、我々は人間でいられるというのも事実なのです。本作では、「欲に身を任すことがいかに化け物じみているか」が明確に描かれています。

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 本作の舞台は東京。抑圧した欲が爆発し、次々に人間が怪物と化していく現象“ウラガエリ”が頻発していました。家族をウラガエリ達に殺され復讐を誓ったルナは、怒りで身体が怪物化しかけながらも“ウラ(怪物)とオモテ(人間)”を併せ持つ新種、通称リバーシブルマンとして闘います。何のブレーキもない欲に身を任せた人間と、欲望の爆発をなんとか理性で食い止める人間。悲しくも凄惨な、人間vs人間の争いが主軸として描かれています。

 グロテスクでショッキングな描写が壮絶な本作。むき出しの欲望がここまで恐ろしいものかと、目を疑う光景が次々に繰り広げられます。これが化け物同士ではなく、人間同士だというところもポイントです。一見すると荒唐無稽な設定なので躊躇しますが、スピーディな展開と人間の本質に斬りこんだテーマが素敵です。相手に対して激しい憎悪を抱きながらも、自らが怪物と化さぬように苦しむ主人公たちにもグッときます。

 悲しくも壮絶なヒューマン・モンスター・アクション。コミック版のデビルマンと同様に、ショッキングなだけじゃない骨太な作品です。


頻発する怪事件“ウラ返し”

人間は裏返って生まれ変わる…?

包帯だらけの女子高生ルナ

その正体は…

私は怪物にならない!!