正義なのか? 情報テロリストなのか? ウィキリークス創設者アサンジ氏の全てが分かる1冊

公開日:2011/9/4

全貌ウィキリークス(電子版)

ハード : iPhone/iPad 発売元 : Hayakawa Publishing
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:1,200円

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昨年、テレビで「ジュリアン・アサジンが保釈され、現在はロンドン市内の支援者宅で過ごしている。外出は禁止されているものの、インターネットなどの規制はされていないようだ」という報道を見たとき、夫と「誰、この人?」と話したのを覚えている。
  
逮捕理由は「暴行」でしたが、彼が有名なのは性的暴行を振るう危険人物だからではなく、米国を始め、世界の政治家を震撼させた内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」の創設者だからです。

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ウィキリークスが有名になったのは米国の25万件とも言われる外交文書の流出事件です。最初にウィキリークスはtwitterで機密文書を公開するとツイートしたことが発端でした。
  
この注目の人物「ジュリアン・アサンジ」の生い立ちから世界の注目を浴びる人物になるまでのストーリーです。読書好きの少年がコモドール64(当時のホームコンピュータでゲーム機に使われていた)に出会い夢中になり、プログラミング言語のBASICをあっという間にマスターしていく。そして16歳でハッカーの仲間入りをし、すぐにその世界でカリスマとなります。そして「ウィキリークス」の誕生。特に外交文書が公開されるまでの米国政府との駆け引きは息を呑む展開で一気に読み進めました。
  
この本を読むまではジュリアン・アサンジは世界から指名手配を受ける悪人というイメージでした。しかし、読み進めるにつれアサンジ氏の行いの本質は本当に悪なのか少し疑問を持ち始めました。もちろん機密文書の流出がこれからも簡単に行わるようでは世界の外交に大きな影響を与え、それこそ戦争につながることもあるかもしれない。しかし、国民に都合の悪いことは「極秘」扱いで情報は公開されない、政治家の都合によって報道される情報とされない情報があるという世の中にあって、アサンジ氏の活動は一石を投じる行動だったのかもしれないと感じます。
  
かつて、キムタクが総理大臣を演じたドラマがありました。その中で好きなセリフがあります「必要な悪があると、子供たちには言いたくない」。大人の事情とか、必要な悪…ここまでの正義感とはちょっと違うかもしれませんが、大きなものに立ち向かう、純真さはあるのだろうと感じました。

1章では情報テロとして世界から的になったウィキリークスの事件について書かれています。2章ではジュリアン・アサジンのこと、3章ではウィキリークスの誕生となっています。その後ウィキリークスが内部告発して情報やその事件の舞台裏について順を追ってまとめられています

画面を上下にスライドさせると、目次や文字の調整などができるアイコンを出てきます

かなり大きなフォントまで可能

プロローグではジュリアン・アサンジの報道パートナーとして活動したドイツ「シュピーゲル」のトップ記者2名の言葉でこの本ができるきっかけになったことなどが書かれています