「他の男の話は妬くんでやめてもらえますか」腹黒ワンコ警備員×恋に臆病なエリートサラリーマンの胸キュンオフィスラブBL

マンガ

公開日:2017/9/1

『好きになって、ゴメン。』(杉原マチコ/KADOKAWA)

 コミック雑誌『エメラルド』にて大人気の著者・杉原マチコ先生の最新作『好きになって、ゴメン。』(杉原マチコ/KADOKAWA)が9月1日にコミックス&電子書籍にて同時発売された。本作は、腹黒ワンコ警備員と純情エリートサラリーマンが繰り広げる青春オフィスラブBLだ。

「青春」と「オフィス」……この2つはあまり結びつかないように思われるかもしれないが、オフィスを舞台にした「大人同士の恋愛」でありながら、とても初々しく甘酸っぱくて、「学園もの」のような「胸キュン」が詰まっていた。

 本作の主人公は仕事のできる優秀な男性でありながら、不愛想で可愛げがないと評判の若狭(わかさ)。自身の「とっつきにくさ」は自分でも悩んでいる部分であり、また、その「可愛げない」ことが原因で恋人と別れた経験もあったため、恋愛に臆病になっていた。
 しかし、若狭は再び恋に落ちてしまう。相手は会社の警備員をしている東山。明るく優しく爽やかな彼に、若狭は惹かれていたが、自分とは正反対な性格で、女性にも人気のある東山が自分に振り向くわけがないと、最初から希望を抱いていなかった。

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 だがある日、若狭はひそかに自分のスマホに保存していた東山の写真を、本人に見られてしまう。そこから、人懐っこく、おおらかだと思っていた東山の様子がガラリと変わり、その隠れていた腹黒な本性が表れて……というのがあらすじ。

 本作はBLジャンルで区分するなら「オフィスもの」だろう。そして受の若狭は過去に傷を持つ薄幸美人系の受で、東山は「いかにもな好青年」かと思いきや、実は黒い顔があり、受に対して独占欲を出したり、したたかなところがあったりと、二面性のある魅力的なキャラクターだ。

 また、同時収録の『恋をして、ゴメン。』は強引ワンコな後輩×ツンデレ秘書(こちらも、過去に傷をもった美人受)のキャラクターであり、『好きになって、ゴメン。』とはカップリングに共通点がある。なので、「表題作以外は趣味じゃなかった」ということもなく、したたかなワンコ攻と美人受が好きな方にとっては、まるまる楽しめるような一冊となっている。

 そしてどちらも、「学園もの」のような「青春感」と胸キュンが詰まった内容になっていた。エロ描写も激し過ぎず、「甘々」な感じなので、「BLに興味はあったけど、読むのは初めて」という方にも最適ではないだろうか。

 ちなみに同日には、既に紙媒体で発売されている『溺愛と執着と。』の電子書籍が配信されている。こちらもあわせて要チェックだ!

文=雨野裾