「YouTuber」「ドローン操縦士」「細胞検査士」──その実態は? どうすればなれる?

ビジネス

2017/9/22

『マンガ日本の珍しい職業大百科』(給料BANK:監修/宝島社)

 日本には、どれくらいの職業が存在するだろうか。「厚生労働省編職業分類」によると、約3万種にも及ぶという。ただ、それを全部見てはいられないので「ハローワークインターネットサービス」の職業分類メニューを覗いてみた。50音検索もあって分かりやすく、読めば読むほどにその多種多様さを実感するが、そこでは紹介されていない職業もある。

 もっと知りたくなれば、この『マンガ日本の珍しい職業大百科』(給料BANK:監修/宝島社)がお勧めだ。本書は世間で実態があまり知られていない52種の職業を厳選し、漫画でそのイメージを分かりやすく伝えてくれる。さらに、その職業への就き方や年収まで簡潔に解説しているので、どんどん興味を惹かれるのではないだろうか。勿論、就職に悩む学生たちにも、良い刺激となるだろう。

 本書で紹介されるさまざまな珍しい職業のうち、冒頭で紹介されるのが「YouTuber(ユーチューバー)」である。「YouTube」で映像を公開して広告収入を得るのだが、そもそも、職業なのか意見が分かれる。とりあえず職業として考えるならば「映像作家」ということだろうか。以前は「有名になれば年収1億円!」ともいわれたが、実際の広告収入など動画1再生あたりわずか0.02~0.2円程度。そして、1日に10万件以上の投稿の中、自分の動画を見てもらうには、相当な創意と工夫が必要である。

 しかし、本書で掲載された珍しい職業のうち「YouTuber」などまだ序の口。次いで紹介されるのは「プロゲーマー」と「フードファイター」。どちらも海外なら多額の賞金が用意された大会が頻繁に行なわれており、メディアでも数多く取り上げられ、プロスポーツとしての認知が日本とはケタ違いなのだ。当然ながらその分、生半可な気持ちでは無理。「プロゲーマー」なら朝から晩まで練習していなければ勝ち抜けないし、「フードファイター」なら素早く多く食べきる顎の力も必要。当然、英語力も必須だ。

 上記の3つは、本書においてアミューズメント系職業として分類されているが、最近は娯楽の領域からその実用性に注目されている職業がある。それが「ドローン操縦士」だ。市販されている小型ドローンを思い浮かべる人も多いと思うが、ここで紹介される例は、カメラ搭載型で空中撮影を主に担っている。映画やテレビだけでなく、災害時の状況把握のほか、建設現場では構造物の点検や測量などにも需要がある。2017年8月の時点で、プロとしての免許や資格は不要だが、国土交通省の講習を受けなければならない。

 ここでもう一つ注目してほしい職業がある。これまでに紹介した仕事に比べ、見た目はとても地味に思うかもしれない。しかし、ほとんどの人が、その恩恵を受ける可能性があるのだ。それが「細胞検査士」である。主な業務は、検診で提供された細胞内に悪性細胞がないかを検査すること。異常が見つかった場合、細胞診専門医に調査を依頼し、「ガン細胞」か否かの判断がなされる。

 今や、日本人の2人に1人はガンにかかるといわれるが、「細胞検査士」により初期段階で発見されれば、かなりの確率で治るのだ。近年は検査業務の多くが機械化されているが、熟練した検査士が行なうと、その精度は非常に高いという。また、2年に一度の試験で合格すれば、国際細胞検査士として海外でも活躍できる。身内をガンで亡くしている身としては、その活躍にどうしても期待してしまう。

 本書は他にも、職人技を駆使する「根付師」に「石工」、伝統芸能でもある「芸者」も紹介。名前は知っていても、その実態は知らないことも多いが、これでかなりイメージがつかめるだろう。勿論、どんな仕事もプロとしての技量と心構えが必要なのは変わらない。そして、そういったさまざまな仕事の成果が集まり、社会を動かしているのだ。小生としても、少しでも人様のお役に立てる文章を書きたいものである。

文=犬山しんのすけ