「いい人」は病気!? やめられなかった「いい人」を今こそやめるために知っておくべき7つの方法

暮らし

2017/10/26

『「いい人」をやめる7つの方法』(緒方俊雄/主婦の友社)

 周囲に気遣いながら生きているのに面倒なことばかり押し付けられたり、金銭トラブルに巻き込まれたり、なんだかいつも損してばかりと感じている人、いませんか?

「いい人はやめなさい」と指南する本を読み、自分を変えたいと願っている人もいることでしょう。しかし、そんな思いや決意だけで簡単にやめることができたら苦労はしないというのが本音ではないでしょうか。中には“いい人”ではない自分になったら周りから嫌われてしまうのではと不安に感じて行動に移せずにいる人もいるかもしれません。

 そんな“いい人”から脱却できずに思い悩んでいる人におすすめの本が『「いい人」をやめる7つの方法』(緒方俊雄/主婦の友社)です。“いい人”の特徴や“いい人”から脱却するための具体的な方法、さらには“いい人”を卒業するとどうなるかについてまで、分析編、原因究明編、解決編の3つの構成で順を追って解説し、解決への道へと導いてくれます。

 分析編では著者がカウンセリングした実際の“いい人”の実例とともに、家庭、職場、恋愛、友人と4つのシーンに見られる“いい人”の特徴をチェックリストで紹介しています。

 たとえば家庭であれば「近所づき合いに気を使い、うわさ話を気にする」「家事を完璧にこなそうとする」といった特徴です。

 職場では「上司から大変な仕事を頼まれても、嫌な顔もせずに引き受ける」「いつもたくさんの仕事を抱えて忙しい」「メールの文面も丁寧で長め」「など「忠実な部下」のイメージを持った行動が見られる人が多いといいます。

 そして“いい人”の分析から挙げられるのは「人から嫌われるのが怖い」「優柔不断」「~しなければいけないというマイルールに縛られている」といった10の特徴です。

 続く原因究明編ではそんな“いい人”の性格や考え方のルーツに迫っています。人の性格に遺伝の要素もあるということも認めた上で、主に母親や父親の養育や両親の仲の善しあしを通して決まっていると著者は指摘しているのです。

 たとえば厳しい母親のもとで育った子は母親に認められるために常に“いい子”であろうとするといいます。怒られないように注意しなければいけない、失敗をしてはいけないといった気持ちを持ちながら生き続けるようになるのです。

“いい人”であり続けるために常に全速力で走り続けることで途中、力尽きてダメな人に落ちていき、周囲や社会を恨んで引きこもりやうつになる人もいるといいます。いい人に「適当」という文字はなく、いつも仕事も家事も友人関係も完璧にしないと不安になり、強迫的に頑張り続けてしまうのです。そして強迫観念が生活に支障をきたすまでいくと、もうそれは病気となります。

「3秒で変わる」などと謳った本もありますが、実際には性格は簡単に変えられるものではないといいます。変えたいと思ったら正しい方法で地道にステップを踏んでいくことが必要というのです。そして、それは性格を変える作業ではなく、自分について気づいてなかったことに、気づいていく作業であるといいます。

 具体的な方法としては、「~しなければいけない」というマイルールを意識的に手放していくなど5つのステップを並行して実践します。このステップを通して“いい人”の基本的な考え方を捨てていくのです。そして「あるがままの自分を受け容れる」といった2つのステップを踏むことで自己のアイデンティティーの確立を目指していきます。

「あるがままでいたら周りに嫌われてしまう」と不安に感じる人もいるでしょう。しかし“あるがまま”とはわがままになることではありません。自分のいいところだけではなく、欠けているところや欲望も含めて全てをそのまま受け入れることを指すのだといいます。さらに生きている目的につながる生きがいを見つけることがアイデンティティーの確立につながるのです。

 人は全ての人にとって“いい人”であることは難しいものです。全ての人に嫌われないためには自分の考えを押し殺して相手の意見に合わせ、八方美人にならなくてはいけません。本音も感情も出さずに表面的な付き合いをし、周囲の人と本当の信頼関係を築けなくなる人生は寂しいものです。

 著者はいいます。「その人の受け容れている大きさが、その人の幸せの大きさだ」と。残りの人生を楽しく自分らしく幸せに生きるためにも本書を読み、“いい人仮面”を外して歩き出してみてはいかがでしょうか。

文=Chika Samon