セールストークには裏がある!? 騙されない投資商品を見抜くための賢い目とは?

ビジネス

2017/11/14

『投資なんか、おやめなさい(新潮新書)』(荻原博子/新潮社)

 「貯蓄から投資へ」という言葉をよく耳にするようになり、小額から始められる手軽な投資商品も多く出回るようになってきた。そんな世間の流れに逆行するかのごとく、『投資なんか、おやめなさい(新潮新書)』(荻原博子/新潮社)が発刊された。投資評論家の荻原博子さんは本書の中で、素人がうっかり手を出して失敗する投資について教えてくれている。

■そもそも老後の不安と投資はイコールなのか?

 この本では最初に「あなたは騙されていませんか」といきなり生命保険のカラクリをバッサリ切ってしまう。老後の不安をあおるセールスマンのトークや商品の誘い文句には必ず裏があるのだと言う。例えば「投資をすれば老後安心」や「日本経済が不安なので今後は円高になる」などはあくまで可能性を最大限に広げて話したまでのこと。必ずしもそうなるとは限らないことを心得ておかなければならない。

 そもそも老後の不安と投資はイコールではないと著者は言う。下手な投資をするくらいなら、普通預金のほうがまだ安全だとも。「こんなクズ商品には手を出すな」というテーマで1章さかれており、書いても金融各社から批判を浴びないのか心配になるほど実商品名が挙げられている。その一部にはこう書かれている。個人年金や投資信託、純金積立など初心者が手を出しやすい商品ほど危険。少しの利益なら手数料でマイナスになりかねないのだそうだ。

■国民全員が投資に向いているわけではない

 熱くなるタイプは賭け事には向かないというが、何事にも向き不向きはある。そもそも得をしたいという気持ちにつけこんだ「分配金」や「豪華プレゼント」に引っかかりやすい人は投資に向いていないそうだ。プライベート・バンキングなどという甘い汁は投資の落とし穴。そう簡単に一般人には話はこないと思っていたほうがいいようだ。投資をしようかしまいか悩むような段階であれば、むしろやらないほうが損をしないはずなのは確かだろう。そんな人のためにこの本では投資に向かない人のチェックシートがついている。

 手を出すなら、手数料を含めて本当にプラスになっているのか小さな字で契約書に書かれた例外事項までをチェックした上で、投資に向き合わないと失敗しやすいのだそう。個人年金や投資信託などは種類によっては手数料でむしろマイナスになる可能性もあり、見落とさずそのリスクを把握しておく必要がある。そういったすべてのことを確認した上でリスクをとっても、初心者向けの投資はプラスを生むほどにはならないという。むしろ、デフレ下では投資はしないと決めていたほうがいいとまで著者は断言している。

 楽でウマい儲け話などこの世にはない。黙って指をくわえて見ているか、むしろ果敢に投資に挑むかは、それは本書を読んでから決めるべきだろう。

文=中島ホタテ