玉子には無限の可能性が秘められている! 簡単お手軽レシピで多彩な玉子料理を楽しもう!【作ってみた】

食・料理

2017/11/28

『我こそ玉子王子』(高原けんじ/芳文社)

 人間誰しも、多かれ少なかれ金銭のやりくりに四苦八苦するという体験を持っているだろう。例えば欲しい物を買うために節約をするというのも、それに該当する。では必要な資金を捻出するため、真っ先に節約の対象となる部分はどこかといえば、およその場合「食費」ではないだろうか。「もやし」や「納豆」など、貧乏レシピに欠かせない食材は人それぞれだろうが、忘れてはならないのが「玉子」である。『我こそ玉子王子』(高原けんじ/芳文社)は、玉子が大好きという著者が、玉子を使ったさまざまなお手軽料理を披露していくというエッセイコミックだ。

 かつては「玉子は1日1個まで」とかいわれていた時代があったが、それは誤り。「完全栄養食」である玉子はタンパク質やミネラルなどが豊富に含まれ、基本的に摂取個数の制限はない。さらに「物価の優等生」といわれるほど価格が安定しているため、まさに「困ったときの玉子頼み」なのである。とはいえ「玉子ばかりでは飽きるのでは?」という意見が出るのは当然。著者はそんな懸念を吹き飛ばすかのように、多彩な玉子料理を作中で作り上げている。

 そもそも著者がなぜ玉子を好きになったかといえば、貧乏な頃に近所の養鶏場で玉子を貰い、それがとんでもなく美味かったから。以来、冷蔵庫に玉子を切らしたことはないという。確かに本書を読んでいると、その「玉子愛」というか、創意工夫の熱心さが伝わってくる。レシピにしても「自家製伊達巻」や「玉子チリ丼」など、簡単かつ絶品の料理が次々と登場。ならば、ここはやはり試してみなくてはなるまい。

【巾着玉子】

 これは著者が自宅で編集者とおでんを食べているとき、玉子がなくなったので追加で投入したもの。玉子に味が染みるのが早く、かなり秀逸な一品である。本稿はおでんを作るのが本義ではないため、あくまで「巾着玉子」のみを作ることにした。材料は「油揚げ1枚」「玉子2個」「めんつゆ100cc」「水400cc」以上である。作りかたは以下。

1.油揚げにお湯をかけて油抜きをし、冷ましてしぼる。
2.油揚げを半分に切って袋状にし、その中に玉子を投入。
3.袋をつまようじで留めたら、水400ccにめんつゆ100ccを加え、煮込む。

 非常に単純な料理だが、その美味しさには驚かされた。油揚げと玉子にダシがよく染みており、巾着玉子単体でも一品料理として成立する。本書には「野菜を入れてがんもどき風にするのもアリ」と書いてあったが、間違いなく美味のはずだ。

 玉子の万能性は主食や惣菜にとどまらない。スイーツでも大活躍してくれるのだ。本書でも玉子を使った「チョコレートケーキ」や「ミルクセーキ」などが紹介されている。その中でも特に簡単な一品を試してみることに。

【カスタードプリン】

 これは女性編集者が恋人にプリンを食べられてしまったエピソードと共に紹介されたレシピ。著者が「自分で作ればいい」と簡単レシピを女性編集者に伝授。そのあまりの簡単さに驚くといった内容だ。材料は1人分で〈プリン〉「玉子1個」「牛乳100cc」「砂糖大さじ2」「バニラエッセンス数滴」、〈カラメルソース〉「砂糖大さじ1」「水大さじ1/2」以上である。作りかたは以下。

1.玉子と牛乳、砂糖とバニラエッセンスをボウルに入れ、よくかき混ぜる。
2.1を茶こしでこしながら、容器に入れる。
3.2を電子レンジに入れ、500Wで2~3分加熱。
4.粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やす。
5.砂糖と水を小皿に入れ、レンジで2~3分加熱。
6.砂糖水が茶色くなったらプリンにかけて完成。

 正直、これほど簡単にプリンが作れるとは思っていなかった。味も店で食べるようなものと比べても遜色ない。そして何よりもコストが安い。これを覚えていれば、ちょっとスイーツが必要なときなどで重宝するだろう。本当に玉子料理には無限の可能性が秘められている。栄養豊富でアレンジ無限の万能食材、それが「玉子」なのである。

文=木谷誠