いつも会話が弾まないあなたに 明日から使える盛り上げ術

暮らし

更新日:2017/12/18

『たった一言で人を動かす 最高の話し方』(矢野香/KADOKAWA)

 こんにちは、スーパーコミ障ライターの大畠です。今回は、明日から使える人間関係改善法をご紹介します。

 皆さんは、こんな症状で悩んでいませんか?

・自分の話を聞いてもらえない
・自分が行くとみんな話をやめる
・会話が盛り上がらない
・初対面の会話がチョー苦手
・空気を読みすぎて何も話せない

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 思い当たるのが3つ以上あったら、あなたは周囲から「残念な人」と思われているかもしれません。実は、これらの主な原因はあなたの性格にあるのではなく、話し方や聞き方が問題なのです。

 コミュ障にありがちなのは、「とにかく何か話さなきゃ!」と懸命に話そうとすること。そうすると気持ちが空回りして、たいていは浮いてしまい、後で激しく落ち込みます。

 確かに話し方も大事ですが、自分のまわりにある壁は内側(話し方)と外側(聞き方)の両方から崩さなくてはなりません。それを教えてくれるのが、『たった一言で人を動かす 最高の話し方』(矢野香/KADOKAWA)です。

 話し下手は聞き上手になりなさい、とよく言われます。聞き方の本もたくさん出ているので、多くの人はそれを参考にして相槌を打ったり、オウム返しをしたり、涙ぐましい努力をしているわけです。

 ところが、これらのテクニックだけではうまくいきません。コミュニケーションはキャッチボールで成立するので、聞くだけでもダメなのです。

話が止まらない人とのつきあい方

 とくに困るのは、話し出すと止まらない人との会話。いわゆるマシンガントークです。

 マシンガントークの人と話していると、こちらの聞きたい情報を聞き出せないまま終わってしまったりするので、本当にグッタリします。こういうタイプと会話のキャッチボールなんてできないなって思いますよね。

 それが、本書で紹介している「間」を活用した聞き方なら、キャッチボールできるのです。

 コツは、相手の息(呼吸)に合わせること。私は今まで、話の切れ目や意味の切れ目を待っていました。それだと、30分ぐらい話が切れなかったりすることもあるのです。30分、ボールを受けっぱなし。キャッチャーでも1回ずつボールを投げ返すのに……。

 それはボールを投げる側の問題だとずっと思っていましたが、違うんです。受ける側の問題なのです。

 マシンガントークの人は息継ぎも短いのですが、それでも0.5秒でも「間」はできます。そこを狙って、「今日の本題に入りますが」とすばやく言葉を挟むのです。

 プロのアナウンサーはそうやって、どんな相手でも会話のリズムをつくっているのですね。会話は内容そのものより、「間」で弾ませるものなのです。

会話は「間」が命

 「間」を使った聞き方なら、1対1ではなくても、数人で会話をする場でも応用できます。

 たとえば4、5人で打ち合わせをする場面。コミュ障の人が空気になりやすい場です(笑)。

 こういうときは、中心になって話している人物の息だけを読んでおけばいいのです。自分が中心になって話す必要はなし。

 中心人物の息が切れた瞬間に、「私もその意見には賛成です」などと言葉を挟めばOK。一言、二言話して誰かにパスをすれば、会話はずっと続きます。

 つまり、会話の主導権を握るのは、その場の「間」を制した人。バレーボールのセッターがアタッカーに絶妙なパスを出すように、パスを渡す役に徹すればいいのです。

 コミュ障の人なら、9割ぐらい周りの人にパスしてもいいかもしれません。それでも自分の存在感を示せるのが「間」を使った聞き方なのです。

 これなら、会話が終わった後の「後味」もよくなります。

 盛り上がっている場で水を差すこともないので、「あ~、うまく話せなかった」「何も発言できなかった……」と気分が盛り下がらずに済むでしょう。会話が弾めば、その場の人たちの後味もさわやかなはずです。

 これからは、「空気を読む=相手の息(呼吸)を読む」が新定番になるかもしれませんね。

文=大畠利恵