あの一言が夫婦の“離婚スイッチ”を押した…信頼関係をブチ壊すNGワード

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公開日:2017/12/13

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 水曜ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)は、ワケありの過去を持つ主人公・菜美(綾瀬はるか)がひょんなことから主婦となり、街で起こるトラブルを解決していくストーリーです。citrusでは本ドラマの連動企画として、各放送回で取り上げる社会問題にまつわる記事を掲載。さまざまなジャンルに精通したcitrusオーサーが、ドラマをより深く楽しむためのヒントを提供していきます。

~『奥様は、取り扱い注意』連動企画 Vol.10~
夫婦関係のヒビは“取り扱い注意” 修復不能になる前に知っておきたいコト

<第十話あらすじ>小雪(西尾まり)から夫・勇輝(西島秀俊)の本当の姿を知らされた菜美(綾瀬はるか)は、史上最大の“夫婦喧嘩”に突入。菜美と勇輝は死闘の中でお互いへの愛を再確認する。優里(広末涼子)は夫・啓輔(石黒賢)の思いやりに触れ、横溝(玉山鉄二)との対決を決意するが、事態は思わぬ展開に進んでいく…。

 今回ご登場いただくcitrusオーサーは、結婚離婚カウンセラーの岡野あつこさん。ドラマのテーマにあわせ、夫婦関係の修復方法を岡野さんの視点で語っていただきました。

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 どんなに仲のいい夫婦でも、長い結婚生活のなかでは何度か危機が訪れるもの。たとえば、ある日突然、パートナーが抱えていた秘密を知ってしまった瞬間、夫婦間の信頼関係が揺らぎ、最悪の場合、「離婚」という決断を迫られることもあるほどです。

 ドラマの主人公・菜美の場合、かつての仕事仲間である小雪から自分の夫の本当の姿を知らされ、緊迫した局面を迎えます。一般的なケースでも、明らかになった秘密の大きさや重さにもよりますが、多くの場合、それまでの夫婦関係にヒビが入ります。もしも、夫婦関係にヒビが入るほどのトラブルに見舞われたとき、「離婚」という選択を避けるために夫婦がすべきこと、反対にやってはいけないことは次の3つです。

■「自分は悪くない!」は災いの元

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Point.1 「自分は悪くない」と主張しない
Point.2 「怒り」より「悲しさ」をアピール
Point.3 「大切にしているもの」を共有する

 一つずつ解説していきましょう。まず、Point.1。夫婦間になんらかのトラブルが生じたとき、やってはいけないことの代表例が「自分は悪くない!」という過度なアピールです。

 女性の場合、自分に被害者意識が芽生えると感情的になりやすく、相手に反省や謝罪をしてもらわないと気がすまなくなる傾向にあります。ところが、男性の多くはプライドやメンツを大切にしたいため、素直に反省や謝罪をするのが難しいもの。その結果、女性は「私は悪くない!→それなのに、一方的にひどい仕打ちを受けた!→だったら別れるしかない!」となり、男性は「オレは悪くない!→でも、頭を下げるなんてゴメンだ!→だったら別れるしかない!」と良くない方向へ展開していきます。

 たとえ、どちらかにトラブルの責任があっても、「自分は悪くない!」などと、すぐに善悪をハッキリさせるのは控えた方がベター。それよりも、「どうしたらこのトラブルを乗り切れるか?」を考えることに集中しましょう。

■「怒り」よりも効果絶大な「悲しみ」アピール

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 次にPoint.2。夫婦間にトラブルが生じた場合、「どうしてそんなバカなことをしたの?」「なぜ、正直に言わなかったんだ?」と相手を責めるようなきつい言葉をぶつけてしまいがち。ですが、これは夫婦関係をさらにこじらせてしまう危険性があります。

 多くの場合、「怒り」の感情をぶつけるより、「悲しみ」の感情を訴えた方が、相手の心に深く刺さるもの。「どうして?」「なぜ?」という怒りの感情は“売り言葉に買い言葉”のケンカを招きかねませんが、「とても悲しかった……」「ショックで立ち直れないかも……」という言葉は「かわいそうなことをしてしまった……」「そんなに傷つけてしまって申し訳なかったな……」と心に響くからです。

■「北風と太陽」のお話から学べること

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 Point.3のコツは、あえて献身的な態度でふるまうことです。相手の大切にしているものを、自分も大事にする。たとえば、相手の両親にいつもより丁寧で思いやりのある心遣いを見せるのは王道の一手でしょう。

 ほかにも、夫が大切にする家族団らんの時間に、妻がいつもより凝った料理を作ったり、妻が溺愛する飼い犬を早起きした夫が妻の代わりに散歩へ連れて行ったり……という方法もあるでしょう。

「ちょっとしたボタンの掛け違い」や「魔が差した浮気」で憎しみ合うより、いかなる時も助けあい支え合う関係のほうが幸せではないですか? 人間ですから間違えることだってあるでしょう。何があっても「やっぱり自分にはこの人しかいない」と思えるのが夫婦というもの。そのためにも、怪しいと思った時の行動は重要だと考えます。

「北風と太陽」のお話が示すように、相手につらくあたって力づくで従わせるより、相手が感じている気まずさや後ろめたさを癒してあげること。すると、相手は自分から「あんなことをしたのに、こんなに優しくしてくれるなんて……」とみずから反省し、態度を改めるようになることも少なくありません。

 いずれにしても、たとえ夫婦関係にヒビが入った場合でも、離婚という大きな決断へ至る前にできる夫婦間のコミュニケーションはあります。この先、万が一、夫婦間でトラブルが生じたり険悪なムードになったりしたときは、ぜひお試しください!

日テレ水曜ドラマ
『奥様は、取り扱い注意』

毎週水曜22時~
<出演>
綾瀬はるか
広末涼子
本田翼
西島秀俊 ほか
<スタッフ>
原案・脚本:金城一紀
音楽:得田真裕
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:枝見洋子 松本明子(AXON)
演出:猪股隆一 ほか
製作著作:日本テレビ
HP:http://www.ntv.co.jp/okusama/index.html

文=citrus 結婚離婚カウンセラー 岡野 あつこ