バンズもパティも手作り! たまには“自家製ハンバーガー”はいかが? 自宅で人気ガストロパブ『BESPOQUE』の味を完全再現!【作ってみた】

食・料理

2017/12/15

『おいしいもの好きが集まる店の全部、自家製』(野々下レイ/講談社)

 女性の社会進出、共働きの増加など、時代の流れを受けて、「時短」「作りおき」といったワードが料理界において重視されつつある今日この頃。その一方で、時間や手間ひまかけた料理こそやはり真の美味しさがある、と一石を投じたレシピ本が発売されました。『おいしいもの好きが集まる店の全部、自家製』(野々下レイ/講談社)の著者は、東京・東中野にある人気ガストロパブ「BESPOQUE」の店主で、ここで提供されているイギリス料理目当てに世界の美味しいもの好きがたくさんやってきています。

 そんな店主が出すレシピ本には、「時短」「作りおき」では到底かなえられない、お店で出される自家製ならではの美味しさを、自宅で再現できるレシピが紹介されています。そこでこの中から、お店でも人気の3品を実際に作ってみました。

■野菜だけでもとっても味わい深い「ジンジャートマトスープ」(P.43)


 サラダ油をひいた鍋に、玉ねぎ、にんじん、塩を入れ、しんなりするまで炒めます。さらに水を加えて、にんじんが柔らかくなるまで煮ます。トマト缶を加えてブレンダーで撹拌し、ここにしょうがと水を撹拌しジュース状にしたものを加えて5分ほど煮ます。最後に、赤ワインビネガー、グラニュー糖、塩を加えてオリーブオイルをかければ完成です。

 1品目は、イギリスでポピュラーなスープをアレンジしたレシピです。イギリスでは、トマト味のスープは給食でも出るくらい一般的なようですが、このレシピではジンジャージュースを加えることで、少し辛みを加え、よりトマトの甘みが際立つスープになっています。食べた瞬間、のどの奥の方でジンジャーの風味を感じ、飲み終わったらお腹の中からポカポカ。これからの寒い季節にぴったりな一皿です。なお、お店のスープの特徴は、だしやコンソメは使わず、とにかく水と塩だけを使い、野菜からのうまみを最大限に活用することだそう。

■フードプロセッサーで作れる「ハンバーガー用バンズ」(P.52)


 フードプロセッサーに強力粉、薄力粉、塩、はちみつ、ドライイーストを入れ、イーストをめがけて湯を注ぎます。さらに、牛乳、無塩バター、卵を混ぜ合わせたものを加え、ひとまとまりになるまで約1分こねます。この生地をボウルに入れ、2倍程度に膨らむまで一次発酵させます。膨らんだ生地を等分にし、1つずつ丸めます。これを、オーブンペーパーをしいた天板に並べ、霧吹きをたっぷりしてからラップをかけ、2倍に膨らむまで2次発酵させます。その後、ハケで生地の表面に卵液を塗り、白ごまをふったら180℃に余熱したオーブンで15分ほど焼けば完成です。

 2品目は、パンはパンでもフードプロセッサーを使って作るレシピです。もともとパン作りが苦手だった著者が、時間をかけずになるべく手早く簡単にできるように試行錯誤を重ねた結果、フードプロセッサーで生地を作る方法を編み出したとか。確かにこの方法で作ってみると、何度も生地をこねる手間はなく、あっという間に生地が出来ました。この生地を焼いてみると、表面はパリッ、中はしっとりとした食感でパン屋に負けない仕上がり。これが自分で焼けたのはかなり嬉しい。基本の作り方をマスターすれば、あとは中に入れる食材を増やしたりして、アレンジも可能。ちなみにお店では、“合わせる食材をより引き立てる味”にするため、メニューの一つ一つに合わせてパンを作っているんだとか。

■バンズもパティも手作りの「パーフェクトバーガー」(P.72)


 ボウルに牛ひき肉、牛脂、はちみつ、塩、黒こしょうを入れてざっくり混ぜ合わせます。これを等分し、丸いパティに成形します。油をひいたフライパンにパティを入れ、焼き目がついたら返してレッドチェダーチーズをのせて水を入れ、ふたをして蒸し焼きにします。作ったバンズを半分に切り、下部分にトマト、きゅうりのピクルス、焼い上がったパティ、ケチャップ、マスタード、バンズの上半分の順にのせれば完成です。

 3品目は、バンズの他、パティ、ピクルスも手作りという、これぞお店を代表するレシピの1つです。世の中には、ファーストフード店をはじめ、食べたいと思えばすぐに買ってハンバーガーを食べることはできます。一方でジャンク、体に悪そう…といった意見も。でも、すべてを手作りしたものであれば決して悪いものではありません。確かにすべて作るとなると時間はかかりましたが、手間ひまかけたからこそ自分好みの味が作れ、食べた瞬間の美味しさは感動もの。ジューシーなパティに濃厚チーズが絡み、これを柔らかいバンズに挟んで食べると、いつまでも口いっぱいにほおばっていたいほど。実際、ファーストフード店のハンバーガーを食べ慣れた息子も「圧倒的にこっちのハンバーガー」の方が美味しい! と絶賛してくれました。

 これら以外にも、燻製や本格的なソーセージの作り方なども紹介されているので、時間と根性がある人は試してみてはいかが?

■手間をかけた分、料理はさらに美味しくなる

 忙しい毎日において、いかに「早く、簡単に、美味しくできるか」を基準に献立を考えてきました。そして、これらは確かに簡単なわりには美味しく、満足度もそこそこありました。でも、今回あえてその逆を行く、「手間はかかるけれど、じっくりゆっくり」作った料理を食べてみると、それはもう時間と手間をかけた分だけ美味しさが増すというか、“本物の味”を楽しめたような気がしました。毎日これを作るのはお店でない限り絶対無理だと思いますが、たまにはこういったレシピで、じっくり料理と向き合う時間を作り、本物と達成感を味わうのもいいかもしれません。

文=JUNKO