現代社会にはびこるストレスに適切な対処法がある? ストレスに悩まないためにするべき行動とは

ライフスタイル

2018/1/11

『北欧の最新研究によるストレスがなくなる働き方』(マリーネ・フリース・アナスン、マリー・キングストン/フォレスト出版)

 現代に蔓延する諸問題に対し、ストレスはその原因の多くを占めているといえよう。ストレスが原因で体に様々な不調が現れることは最早周知の事実だし、何よりストレスを放置し続ければ命の危険さえある。しかし、そうはいっても生きている以上必ず付いて回るのがストレスというものだ。だからストレスとの付き合い方は非常に大切となる。例えば自分のストレス耐性を向上させる方法や、周囲がストレスに苦しんでいる際の対処法などだ。これらが紹介されているのが『北欧の最新研究によるストレスがなくなる働き方』(マリーネ・フリース・アナスン、マリー・キングストン/フォレスト出版)である。

 現代社会において、ストレス耐性を高めることは非常に重要なことだ。では、肝心のその方法だが、これは4つの原則がある。

(1)自己管理のための時間をつくる――そしてその時間を優先する
(2)複雑さに対処する
(3)ジレンマのあいだのバランスをとる
(4)自分のストレス症状を知る

 ひとつひとつ見ていこう。

 まず、自己管理のための時間をつくり、その時間を優先するということは、毎日「きれいに空いている時間」をつくるということだ。そして、そのためには厳密なスケジュール管理をしなければならない。しかしそれは言うほど簡単なことではないという意見も多いだろう。自己管理に使える時間が現状1時間でもあるのなら、その時間を使って次の4つのことをしなければならない。次の週を管理下に置くこと(準備が必要なプレゼンテーションの有無の確認、休憩をスケジュールに入れているかどうかなど)、広い視野で物事を見ること(仕事や人間関係の問題はいつどのように処理すべきかなど)、上司に関する何か(上司に尋ねておかなければならないことの確認など)、他の未決事項について(次の1ヶ月で今から考えなければならない問題はあるか)である。

 次の複雑さに対処するということの複雑さとは、組織の複雑さである。これに対処するためには、あいまいさと予測不可能性への耐性を高めることと核心的な任務と目標から目をそらさないこと、またこれら2項の延長として細部にこだわらないことも重要になる。

 次に、ジレンマのあいだのバランスをとるということだが、これは少々難しい。そのため、必要な対処は前2つと比べて些か多い。まず、ジレンマの中身と自分が何に迷っているのかを知る、次にそのジレンマは自分の内面にどんな影響を与えているかを把握する、そのジレンマがどんな前提・先入観によって成立しているかを知る、更にそのジレンマを構成している2つの選択肢を「両方」とった場合どのような選択肢があるかを考える、最後にどうすればジレンマに対応して適切に行動していると確信できるかを考える、ということだ。ここで気をつけたいのは、これらはジレンマに対する行動であって、解決ではないこと。ジレンマは簡単に解決できるものではないと認めることこそが、ジレンマに対するストレスを和らげる第一歩なのだ。

 最後の対処法は、自分のストレス症状を知ることだ。そのためには、日誌をつける・週に一度、自分の状態を把握する習慣をつけるなどのことが必要になる。これら4つの原則は、既にあるストレスへの対処法だけでなく、ストレスの予防策にもなる。自分自身をストレスから守るための方法として覚えておいても良いかもしれない。

 時には、自分以外の人がストレスに苦しんでいる場面に遭遇することもあるだろう。そういった場合の適切な対処法というのはあるのだろうか。これは、4つのステップがある。

(1)スタッフの仕事量と健康状態に関心を示し、留意する
(2)管理職らしく振る舞い、主導権を握る
(3)社会的支援を検討し、提供する
(4)専門家の支援を仰ぐ

 特に、最後の専門家の支援を仰ぐというのは当たり前だが確実な方法でもある。あまりに悩んでいる人を前にしたら、自分でどうにかしようとするよりも適材適所を考えた方が良いだろう。

 そもそも、ストレスとは何だろうか。実は、ストレスという言葉には公式な定義がない。研究の世界だけでも、実に25以上の定義が使われているという。つまり、ストレスという言葉を使う時は注意が必要だということだ。ただでさえ、ストレスは目に見えないため、時にその悩みが理解されないこともある。ストレスへの対処法の第一歩は、自分のストレスとは何かを把握することから始まるといえるかもしれない。

文=柚兎