「ネットの健康情報は大丈夫?」「病院へ行くか迷う…」、そんなとき頼りになる『家庭の医学』。7年ぶりの大改訂で何が変わった?

健康・美容

公開日:2018/1/27

『家庭の医学 ―― すぐわかる よくわかる』(主婦の友社)

『広辞苑』の改訂が話題となりましたが、改訂となったのはそれだけではありません。『家庭の医学 ―― すぐわかる よくわかる』(主婦の友社)も、7年ぶりの大改訂が行われました。
 厚み3.5㎝、重さ1600gの圧倒的存在感。気になる病気や症状の最新情報の追加分は、前回に比べて、110ページ増しです。

 しかし現代では、ケガや体の不調を感じたとき、ネットで検索する人が圧倒的に多いでしょう。ネットで症状を検索すると、膨大な情報が出てきます。でも情報がありすぎて、かえって不安になることもないでしょうか。
 情報があふれる現代だからこそ、ネットでは得ることのできない、“体系的にまとめられた”“信頼のできる”家庭向けの医学情報が必要ではないでしょうか。

■病院に行くか迷ったときも頼りになる

『家庭の医学』はご存じのように病気の事典です。「胃の病気」「腸の病気」「目の病気」といった部位別の病気・症状・治療法などがまとめられている「病気編」をお目当てに手に取る人が多いでしょう。
 今回の改訂では、気鋭の医師による1200の病気の最新情報を徹底解説。症状からどのような病気を疑うか、病院に行くか様子を見るべきか、診察を受けるのは何科がよいか……。「病気の原因・症状・治療」の一連の流れが一読でわかるよう編集されています。

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 けれども『家庭の医学』は、いわゆる専門的な医学辞典と少し違います。そのひとつが、豊富な「家庭でのケア」が集録されているところです。漢方薬やツボ療法などの東洋医学、さらには民間療法などの健康法の知識が幅広く紹介されています。
「病院に行くほどではないけど、不調がある」というとき、東洋医学の知恵が役立つことがあります。また病気が治った後の健康維持にも参考になる内容となっているのです。

セルフケア情報も充実

■ヘルシーレシピもあり

 さらにこの『家庭の医学』には、巻頭に「健康と長寿のための食事の新常識」や「認知症とその予防」という、読み物として分かりやすく実用的な特集が組んであります。「食事の新常識」には、補いたい栄養素を摂るためのレシピも紹介されている徹底ぶりです。
 巻末にも同様に、「〈家族の介護、認知症の介護〉の間違えてはいけないポイントとコツ」「応急手当」などがまとめられています。

「辞典」という情報の羅列だけではなく、おもしろく・興味を持って健康について考えさせてくれるのがポイントです。

健康と長寿のためのレシピはつくりやすく実用的

■発達障害も新規に集録

 もうひとつ『家庭の医学』をオススメしたい点は、「女性の病気」「赤ちゃん・子供の病気」といった、属性別でもコンテンツをまとめられていること。手足口病や、今の時期流行する感染性腸炎などがまとめられ、ひと目で必要な情報に到達できる便利さです。
 また今回の改訂版では、「発達障害」についても取り上げられており、どのような症状なのかが分かりやすくまとめられています。発達障害を初めて知る、という人に説明する際にも便利でしょう。

 他にも、付録として「人体解剖図(裏面は全身のツボ図鑑)」が付いていること。また文字をひとまわり大きくし、読みやすさも追求。ネットのように断片的でない「読み応え」のある文章でまとめられています。

 情報が氾濫する今の時代だからこそ、専門家によって保証された確実な情報。「ネット検索に頼らなくても、すべてがそこに書いてある」安心感。累計125万部のロングセラーのクオリティを実感できるはずです。

文=武藤徉子