メールで相手をイラッとさせないために…知っておきたい、送信&返信に関するマナー

ビジネス

更新日:2018/2/26

『相手をイラッとさせない! メールの好感度を上げるマナー&文例』(杉本祐子/主婦の友社)

■見開き1テーマだから、読みやすい

「こういう本を探していた」。これが『相手をイラッとさせない! メールの好感度を上げるマナー&文例』(杉本祐子/主婦の友社)読後の感想だ。
 ビジネスメールの出し方といった本は見かけたが、本書ではプライベートなメールについても解説されており、これがとても参考になった。

 しかも、見開き1テーマで左ページに問題のある例文があり、右ページで問題点を修正した例文が掲載されているのでわかりやすい。知りたい部分だけを選んで、読み進めることができるのもありがたかった。

■アンケートに基づく送信のお悩み1~5位に共感

 巻頭でメールに関して、100名にとったアンケート結果がまとめてあるが、どれも心当たりのある悩みばかりだ。その対応策のページ数が明記されているから、はじめから読み進まなくても、いきなり知りたいことから読めるようになっているのもいい。

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 次に、送信するメールに関する悩みが1位から5位まであげられていて、これもいちいちうなずきたくなる内容だ。特に、1位の「添付ファイルのつけ忘れ」は、だれもが経験していることだろう。

 その対応策として、まずあげられているのがメール作成の手順を変えること。ファイルを添付する予定のメールには、本文を書く前にメールを添付するクセをつけようというのだ。また、返信メールに添付する場合なら、宛先を一度削除しておくと、送信をクリックしても送信されないからファイルのつけ忘れにも気づきやすいとの指摘もある。さらに、本文中で「ファイルを添付します」と書いておくと、Gmailなら添付せずに送信しようとすると警告表示がつくなど、具体的なアドバイスがいくつか紹介されていて、とても参考になった。

■受信してイラッとしたメールの文例に心当たりが……

 つづけて、受信してイラッとしたメールはどんなメールかというアンケート結果も紹介されているが、読みづらいメールという答えが半数以上を占めている。読みづらいとは、改行もせずに文字で埋め尽くされたメールや、ダラダラと書かれていて何を言いたいのか伝わってこないメールを指す。

 これに対して本書では、改行のたびに1行あけるという方法をすすめる。早速、自分が過去に送信したメールを見直して改行をふやしてみたところ、格段に読みやすくなった。

 また、何をいいたいのかわからないメールの場合は、とにかく言いたいこと、やってほしいこと、質問に対する答えなど、結論を最初に書くようすすめる。ビジネスメールなら、特にあいさつは簡略にして結論を先に書くのが、わかりやすくするコツとのことである。確かに、延々と時候のあいさつや近況が書かれたあとにお願いが書いてあっては、気づかずに読み飛ばされる危険性が高い。「依頼内容」「日時・場所」など項目を立てて書くと、さらに読みやすくなるとの指摘は納得できる。

■相手をイラッとさせない表現法に感心

 以上のほかにも読み手がイラッとする表現、たとえばビジネスメールなら、「その注文を3日以内に発送するのは無理です」とは書かずに、「ご注文から4日目以降なら発送は可能です」と書けば、相手も悪い感情を抱かずにすむ。あるいは、代金の督促やこちらに非がある場合の謝罪の仕方など、むずかしいケースでの文例はなるほどと思えた。

 プライベートメールでも、クラス会に誘われたけれど行けないときに「今回は遠慮しておきます」と書くと嫌な印象を受ける人が多いが、「あいにく出張の予定が入っています。またの機会があれば、ぜひ誘ってください」と書けば、相手もムッとしない。ふむふむ、覚えておこうと思った。

 おまけにメール機能の使いこなし方などについてもくわしく説明がされていて、読後は少しメールを使いこなせる気になれたのがうれしい。まったくのメール初心者から、何年も使っている人まで、学ぶことの多い1冊といえよう。