保育士は「褒め育て」をどう捉え実践しているのか? 子どもの自己肯定感を育てる方法

出産・子育て

2018/2/2

『保育士という生き方(イースト新書Q)』(井上さく子/イースト・プレス)

「待機児童」「ブラック保育所」という言葉が頻繁に使われるなど、良くも悪くもこの数年で保育ならびに保育士の仕事に注目が集まった感がある。

 しかしながら、いまだに「保育士は子どもと遊ぶ仕事」「誰でもできる」といった言葉が出るなど、残念ながら保育の本質は広く世間には知られていない。

『保育士という生き方(イースト新書Q)』(井上さく子/イースト・プレス)は38年間、保育士として保育に携わり、2008年の「保育所保育指針」改定にも関わった著者の保育人生を綴っている。本書には、保育士の仕事の実際が克明に記録されている。

 主任保育士、園長とさまざまな立場で培った著者の保育観は、育児にも役立ちそうだ。

 現代の子どもに顕著に表れているとされる自己肯定感の低さが問題視されており、「褒め育て」が持ち上げられている。保育の現場でも「褒めて育てる保育」が良しとされるむきがあるが、本書はこのような保育が「言葉ありきになってしまってはいけない」と危機感を示している。

□誰にでも分け隔てなく「かわいい」という保育
□何に対しても「素敵」「素晴らしい」という保育

こうした保育を、言葉尻だけでとらえて、その意味を考えずに使ってしまう怖さがあります。
子どもの気持ちを考えたとき、保育園で「まぁ、素晴らしい」、「あら、素敵」という言葉が何人もの職員から出て、子どもたちに浴びせていることは、子どもにとってあんまりいい気分ではないはずです。子どもたちは、「何がどのように素晴らしいのか」、「何がどのように素敵なのか」、その「何がどのように」の部分を伝えてほしいと願っています。

「何がどのように」を子どもに伝えるためには、子どもをよく観察し、子どもの心に寄り添う必要がある。「褒める」という言葉だけを追うと、この本質が欠落するかもしれない。

「何がどのように」の部分を具体的に子どもに伝えることによって、子どもはイメージの助けになったり、自信につながったりするという。本書は、「言葉の持つ力を大切にしながらも、言葉だけに縛られない保育」が重要だとしている。この考え方を育児に生かせば、子どもの自己肯定感が大きく育つかもしれない。

文=ルートつつみ