マイホーム購入は人生最大の“プロジェクト” 絶対に損をしない家の買い方

暮らし

2018/3/14

『家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本』(千日太郎/日本実業出版社)

 不動産価格の下落が見込まれるとして、2020年の東京五輪以降に住宅購入を検討しているファミリーもいるだろう。ただ、その際に必要な知識や情報をつかんでいる、と自信を持って言える人は少ないのではないだろうか。

 2017年に行われたハイアス・アンド・カンパニー社の「住宅購入に関する消費者調査」によると、調査対象者(現在の住まいが持ち家ではない20歳~49歳までの男女618名)の約9割がマイホーム取得に不安を抱えているという。不安の理由として主に挙げられたのは、やはりお金に関わること。そして不安解消のために住宅会社や不動産会社に求めるものとしては、「無理のない返済計画への助言」という声が多かったそうだ。

 しかし、不動産会社や銀行に勧められるままに契約をしたり、ローンを組んだりして生活が立ち行かなくなり、破産してしまう人は少なくない。マイホームを購入する際に大切なのは、与えられる情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身がお金や理想の住まいのことをしっかりと考え、正しい情報を把握した上で契約することだと言えるだろう。

 これからマイホーム購入を検討する人が読んでおきたいのが、『家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本』(千日太郎/日本実業出版社)。著者の千日氏は、「家と住宅ローンの専門家」であり、現役の公認会計士。「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」で自らの経験や専門知識を活かして独自のノウハウを公開し、大きな反響を呼んでいる。本書にも、私たちが不動産会社や銀行などの百戦錬磨のプロを相手に家選びとお金で損をしないためのアドバイスが惜しみなく書かれている。

■ボーナス払いにはメリットがない

 ローン返済計画を立てる際に、ボーナス払いを含めた返済を検討する人は多いだろう。ただ、給与規定が今後35年間ずっと変わらない保証はなく、ボーナス払いのリスクは大きい。本書によると、安全なローン返済の考え方は、「イレギュラーな出来事やアクシデントに強い資金計画を立てていく」こと。あくまで月々の返済は一定にし、ボーナスは貯蓄しておくのがおすすめのようだ。

■理想の家にたどり着くための現地調査

 売り手は商品を売るために良いところは強調し、悪いところは隠したいもの。後悔しない家を買うためには広告を鵜呑みにせず、方向性(譲れない条件)を定めて現地調査をすることが大切だという。その際に著者が勧めているのは、物件の情報を一覧することができる表を作ること。物件の良い点も悪い点も横並びにして比較することで自分が大事にしていることをより客観視でき、売り手が隠しておきたい情報もあぶりだすことができるそうだ。

■「値引き交渉」はした者勝ち

「3980万円」などの物件価格で「80万円」という数字には深い意味はなく、「下げてくれ」と交渉すれば引いてもらえることが多いという。物件のウイークポイントを知り、その弱点を理由に筋を通せば、さらなる値下げを引き出すことも可能とのこと。本書で紹介されている手付金の値引き交渉も、してみる価値がありそうだ。

 著者いわく、住宅の購入は「人生のプロジェクト」。本来は「損か得か」という買い物の判断のものさしを持ち込むものではないため、家を売りたい営業マンの口車に乗せられて、掘り出し物だ!と飛びついてはいけないのだという。さまざまな側面から家族と自分の人生を守るための資金計画を行い、心から納得できる家を購入したいものだ。

文=佐藤結衣