忙しい朝でも出来る! おいしく見栄えよくお弁当を作るコツ【作ってみた】

食・料理

2018/4/3

『チオベンの弁当本』(山本千織/KADOKAWA)

 毎日のお弁当は、短い時間で簡単に作ってしまいたい。しかし、お昼に蓋を開けるのが楽しくなるような、味も見た目もよいお弁当はやっぱり魅力的だ。そんな理想と現実に挟まれ、「もっと料理ができたら…」と思っている人も多いはず。

 そんな人にオススメしたいのが、『チオベンの弁当本』(山本千織/KADOKAWA)。本書は、モデルや芸能人を虜にするロケ弁「chioben」を作っている山本さんが家庭用のお弁当のために考案した、「メイン」+「すぐできる簡単おかず」+「作り置きできるおかず」の3品で完結するレシピ本。山本さんは、普段のロケ弁には10種類以上のおかずを詰めているそう。その魅力をそのままに、かつ極限までシンプルに無理なく作れるよう試行錯誤した結果、この本が完成したとのこと。

 また、本書のお弁当は季節ごとに分かれている。旬の食材があちこちに使われていることで「似たようなお弁当ばかり」にならず、ただおいしい、美しいだけでなく、お弁当から季節の移り変わりを感じることもできるのだ。これからの行楽シーズン、お弁当を持って出かけることも多いだろう。そこで、春のお弁当の章から2つ、実際に作ってみようと思う。

■「豚とアスパラのロールフライ弁当」(P.28~P.29)

 1つめは、「豚とアスパラのロールフライ弁当」。豚ロース薄切り肉を少し重ねながら5枚ほど並べ、えごまの葉、実山椒ソース、アスパラガスを乗せて巻き、衣をつけて油で揚げたものがメイン。スティックセニョールを茹で、醤油とからしで和えたものが簡単おかず。素揚げしてマッシュしたかぼちゃ、刻んだプルーン、パプリカペースト、サワークリーム、クミンパウダーを混ぜたものが作り置きできるおかず。あとはご飯と一緒に詰めれば完成。今回は、スティックセニョールが見当たらなかったので、菜の花で代用した。

 ボリュームのあるロールフライ、和風な味付けのからし和え、すっきり甘くちょっとスパイシーなサラダと、それぞれ食感や味がまったく違っていて、食べていて飽きない。重すぎず、あっさりしすぎということもなく、ちょうどいい組み合わせだ。実山椒ソースとパプリカソースの作り方も、別ページに分かりやすく掲載されている。

■「かじきまぐろのてりたれ山椒焼き弁当」(P.30~P.31)

 2つめは、「かじきまぐろのてりたれ山椒焼き弁当」。こちらのメインは、かじきまぐろに塩胡椒と小麦粉をふって焼き、7割がた火が通ったら本書内で紹介されている「てりたれ」、バター、粉山椒を絡めたもの。そして塩抜きして刻み、藻塩とともにごはんに混ぜて握った桜のおにぎりがすぐできる簡単メニュー。片方にはとろろ昆布を巻く。作り置きは、だし汁、醤油、みりんで切った水菜をさっと煮、そのまま冷ました煮びたし。あとはお弁当箱に詰めれば完成だ。

 山椒の効いた甘辛く柔らかいかじきまぐろ、桜が香るおにぎり、シャキシャキした水菜と、こちらはどれも和風だが、食感の違いや山椒の効果でそれぞれに違う楽しみを持たせてあり、箸が進む。また、桜のピンクが映えていて、見た目も非常に美しい。

「chioben」にはいくつかプロならではのこだわりがある。その中の1つが、仕切りを使わず、詰め方を工夫したり葉ものを使ったりすること。そうすることで見栄えがよくなり、詰め方次第でうまく味が混ざり合い、よりおいしくなるとのこと。また、片栗粉でとろみをつけるのではなく、油分と水分を合わせて粘りを出す、というのも山本さんのこだわり。

 この『チオベンの弁当本』には、季節ごとのお弁当だけではなく、イベント時に役立つお弁当、「chioben」の定番調味料や定番スパイス&ハーブ、オリジナル調味料など、いつものお弁当をよりおいしくバリエーション豊かにしてくれるヒントもぎゅっと詰まっている。忙しい日々を送っている人にだって、むしろそういう人にこそ、「chioben」のような心を動かしてくれるお弁当が必要なのだ。

調理・文=月乃雫