煮出し不要、水につけておくだけ! 超ラク「水だし」には減塩効果も

食・料理

2018/5/17

『「水だし」でかんたん健康おかず』(武蔵裕子/主婦の友社)

「だしをとれば、料理はおいしくなる」それはわかっているけれど、毎日忙しさに追われて、実践できないのが実情では? もともと料理が好きなら別ですが、そうでない人にとっては、だしをとることは、料理をより面倒に感じてしまう要因になることも……。

 そこで試してほしいのが、『「水だし」でかんたん健康おかず』(武蔵裕子/主婦の友社)。「水だし」とは、名前の通り煮出さない、水で作るだしのこと。作り方はいたって簡単で、麦茶などを保存する容器に削り節、こぶ、ごく少量の塩と砂糖、水を合わせて冷蔵庫に入れておくだけ。6時間ほどたてば、こぶと削り節のうまみがたっぷりと溶け出した「水だし」が完成します。

▲実際に作ってみた「和風水だし」がこちら

 実は、「水だし」はラクなうえに、減塩効果まであるというから驚き! だし材料のこぶにはグルタミン酸が、削り節にはイノシン酸が含まれていて、その2つが合わさることで、7~8倍のうまみ効果を発揮します。だしを使った料理は、だしを使わない料理よりも、うまみが強く感じられるので、塩分を控えめにしてもおいしく感じるという実験結果もあるとか。「水だし」なら冷蔵庫に入れておくだけなので、手間いらず。無理なく、おいしく健康的な食生活を送ることができそう。

 さて、「水だし」って、水につけておくだけで、本当にしっかりうまみが出るの?と思う方もいらっしゃるのでは。そこで実際に、「水だし」を使った料理を3品作って食べてみました。

■「はんぺんと貝割れ菜のすまし汁」(p.13)


 まずは、「和風水だし」をいかしたシンプルな汁物「はんぺんと貝割れ菜のすまし汁」。鍋に「水だし」を煮立て、ちぎったはんぺん、酒、塩を加え、煮立ったら、薄口しょうゆで味をととのえ、貝割れ菜を加えればでき上がり。
 シンプルだからこそ、ふわっと香るだしの味が体に染み渡ります。貝割れ菜の辛味がアクセントになっていて、優しい味わいでありながらしっかりバランスのとれた味に。すまし汁は覚えておくと、具を変えていろいろアレンジできそうです。

■「ズッキーニとえびの焼きびたし」(p.21)


 2品めは、レモンが香るさわやかさが魅力の「ズッキーニとえびの焼きびたし」。輪切りにしたズッキーニと下処理したえびを魚焼きグリルで焼き、えびは殻をむいておきます。バットに「和風水だし」、オリーブオイル、塩、こしょう、レモンの薄切りを入れてまぜ、ズッキーニとえびを浸して味がなじめば完成。
 水だしにえびのうまみとレモンの酸味が加わり、すっきりとした味わい。決して味が濃いわけではないのに、食材の味が引き立っていて箸が進みます。さっぱり味で食欲がなくても食べやすいので、これからの季節に重宝しそう。

■「だし炊きごはんおにぎり」(p.46)


 最後は「だし炊きごはんおにぎり」。米を洗って炊飯器に入れ、「和風水だし」を注いで30分ほど吸水させ、ふつうに炊くと、だし炊きごはんの完成。本では、塩でにぎったおにぎりが紹介されていましたが、「具をまぜるのもおすすめ」、とあったので、刻んだ三つ葉と明太子をまぜてみました。
 ごはんを噛めば噛むほどだしの風味が口の中に広がり、自然と食べる速度もゆっくりになる美味しさ。明太子と三つ葉があっても負けないくらいに、だしが主張しているのが印象的で、煮出さなくても、ここまでうまみと香りが出ることに驚きました。

 どの料理も、「水だし」の味、風味がしっかりきいていて、煮出してとる通常のだしにくらべて、雑味のない澄んだ味わいが特徴的でした。調味も控えめなのに、薄くて味けない、なんてことはまったくなく、「水だし」が減塩につながることにも納得。
『「水だし」でかんたん健康おかず』には、今回紹介した「和風水だし」のほか、「洋風水だし」「中華風水だし」も掲載されていて、レシピのバリエも豊富。減塩になることもうれしいけれど、「水だし」の最大の魅力は、水につけておくだけの手軽さ。今まで市販のだしに頼っていた人も、これを機に水だし生活を始めてみては?

調理・文=月乃雫