空気を読まずに人に好かれる方法がある! しかも所要時間は0.1秒

暮らし

2018/7/3

『空気を読まずに0.1秒で好かれる方法。』(柳沼佐千子/朝日新聞出版)

「空気を読まないと、周囲の人から嫌われてしまう」と案じて、日常生活の中で常にアンテナを張っている方も現代社会には多いはずだ。しかし、『空気を読まずに0.1秒で好かれる方法。』(柳沼佐千子/朝日新聞出版)は、空気を読まないからこそ好かれる世渡り術を教えてくれる。

「どうして私は嫌われてしまうんだろう…」著者・柳沼氏の人生には常にこの言葉がつきまとっており、孤独で窮屈な毎日を過ごしていた。しかし、そんな悩みを解消すべく、コミュニケーションについて説いた本や心理学、脳科学の本を読み漁っているうちに柳沼氏は相手の人柄や様子に合わせなくても「好かれるかたち」を身につけることができた。

 柳沼氏が発見した「好かれるかたち」とは、相手の右脳に訴えかけるため、表情を“読む”必要がないので、空気を読めない人でも周囲の人から好感を持たれるようになるのだそう。果たして万人に好かれる夢のような処世術とは、どんなものなのだろうか。

■「なんとなく感じが悪い」は直せる!

「そもそも、どうして人から好かれる必要があるの?」――そう思っている方もいるかもしれないが、人に好かれれば、自分も笑顔になれる機会が増えるため、より楽しい人生を歩めるようになる。

 人は出会った瞬間の様子で、目の前の相手がなんとなくいい感じか悪い感じかを判断し、その後の関係性を決めていく。ムスっとした店員がいるお店には通いたくないと思ってしまうのと同じで、良い印象を受けなかった相手とは距離を近づけようとは思えなくなるのだ。

 中でも一番損をしてしまうのが、意図に反して「なんとなく感じが悪い」という先入観を持たれた人であり、そう思われてしまう人には「話し方」や「しゃべり方」「身振りや手振り」に3つの共通点があるのだそう。だが、「なんとなく」という曖昧な点が災いして、直すとよいところを端的にアドバイスされにくいため、変わるきっかけを得にくい。しかし、厄介なことに一度持たれてしまった先入観は、自分に大きな変化がない限り変わらないことが多いそうだ。なんとなく感じが悪いと思われてしまいやすい人は、自分が普段行っている言動を見直してみよう。

 例えば、脳科学者の茂木健一郎氏は自身の著書『脳は0.1秒で恋をする 「赤い糸」の科学』(PHP研究所)の中で、脳が相手の印象を判断するのにかかる時間は0.1秒だと論じている。そのわずかな0.1秒の間には理性よりも感情が優先される。そのため、出会い後によい印象を与えたくても笑顔を返したり、声のトーンを合わせて話したりしていては間に合わないのだ。

 そこで柳沼氏は最初の0.1秒を制すために、相手が好感を持つような顔を筋トレで作っていこうと提案している。人の表情を読まなくてもいいこの方法なら、空気を読むのが苦手でも感じのよい印象を与えられるのだ。

 人に好かれる機会が増えていくとその分、他人の喜ぶ顔を見ることも増えていき、自分も笑顔になれたり、ビジネスの商談もまとまりやすくなったりする。柳沼氏が発見した処世術を身につければ、人生も明るい方向へ転がっていくだろう。

■シチュエーション別! 明日からすぐに“感じのいい人”になる方法

 本書にはビジネスシーンやプライベートでいつも「感じがいい」と思ってもらえるよう、具体的なケーススタディが数々紹介されている。各ケーススタディには顔文字や声のトーンを表す記号も記されているため、ニュアンスやコツが掴みやすい。本稿では、その中のいくつかをご紹介していこう。

 まず、ビジネスシーンで避けられない「初対面の人への挨拶」は顔の表情筋をほぐし、思いっきりの笑顔で挑もう。自ら率先して挨拶をして、親しみやすさを感じさせられれば、相手も心を開いてくれやすくなるはずだ。

 そして、ビジネスシーンで相手に好かれるためには自分が話すときだけでなく、「聞き手にまわったとき」の言動も重要になってくる。人は自分の話を丁寧に聞いてくれる相手には好感を抱きやすいため、仕草や表情をフルに活用し、話を受け止めてあげよう。

 また、プライベートで困ってしまいがちな「褒められたときの対処法」も本書では細かく解説されている。私たち日本人は褒められるとつい謙遜してしまいたくなるが、素直な言動で相手の言葉を受け入れ喜んで見せたほうが、よい印象を与えられるのだ。

 こうした柳沼氏の好かれるテクニックは、明日の自分を魅力的に彩ってくれることだろう。

 列を乱さない生き方が重視されやすい日本では空気を読むことが美徳であるようにも思えてしまう。しかし、自分を偽りながら生き続けているといつしか心が虚しくなり、息苦しくなる。「周りに同調するだけの生き方をやめたい」と思っている方こそ、本書を参考にし、自分らしく生きながら好かれるコツをつかんでほしい。

文=古川諭香