“はじめての夜”を越えた2人のラブはますますパワーアップ!『なまいきざかり。』最新刊&番外編収録の短編集が同時発売

マンガ

更新日:2018/7/17

『なまいきざかり。』(ミユキ蜜蜂/白泉社)

 オトナ女子に『なまいきざかり。』(ミユキ蜜蜂/白泉社)をおすすめしたい理由は3つ。1つ、恋愛を第一優先できない由希の不器用っぷりが大人にも共感できる。2つ、バスケの青春マンガとしても楽しめる。3つ、超なまいきな後輩・成瀬がとにかくエロかっこよくて落とされる。どれだけエロいかというと7月25日発売の『ザ花とゆめ サマーラブ』で特集が組まれ、『ここまでやるか⁉』と驚くほどのエロきゅん袋とじ漫画が収録されるほどである。読むしかない!!!

 と、興奮はさておきまずはあらすじを紹介しよう。連載開始当時、主人公の町田由希は高校2年生。三つ子の弟に双子の妹をもつスーパー長女。いやがおうにも手際と面倒見のよさを身につけてしまった、我慢づよくクールな少女である。どれだけクールかというと、不慮の事故とは言え新入生の成瀬翔に胸をつかまれても表情ひとつ変えない鉄面皮。

 そんな彼女をかきみだすのが、この成瀬。由希の成瀬に対する第一印象はとにかく最悪。バスケの才能はとびぬけているのに、どこか本気にならず、飄々と人をおちょくる態度ばかりとる。そのくせ成績優秀でイケメンとくれば、由希でなくても「くそ生意気」と言いたくもなる。だがまじめすぎて頑なな由希の心は、成瀬相手だからこそしだいにほぐれていく。

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 成瀬がくそ生意気なら、由希はくそ真面目。恋愛よりも、勉強やマネージャーとしての仕事が第一。鬼マネージャーだの姉御だのと呼ばれながらも「いなきゃ勝てない」と選手が不安になるほど頼りになる存在だ。試合中、追い詰められた選手に勢いあまって「負けたら尻ぶったたくよ!」と叫んだのには笑ったが、どこまでも一生懸命で、実は熱情ほとばしる、誰よりアツい女の子。それを知ったからこそ成瀬も、からかい半分の気持ちを本気の恋に変えていくのである。恋愛オンチの由希が成瀬のエロ攻撃に翻弄されているように見えて、じつは成瀬のほうが由希を大事にしたいあまり悩む姿もまたかわいい。晴れてカップルとなった2人が今後どんな進展を見せてくれるか、楽しみでならない。

 そして忘れてはならないのが、成瀬の幼なじみでライバルでもある袴田静。バスケの強豪校エースの彼は、ライバルというにはいい子すぎてまたじれったい。「これは恋じゃない……!」と葛藤するさまも読んでいるとにやにやしてしまうのだけど、成瀬とのバスケを巡った長きにわたる因縁もまた、白熱していて読み応え十分だ。

 12巻ラストではついに「お泊り」を果たした2人。最新刊では、由希と同じ大学に入学した成瀬と静が、おなじバスケ部に。成瀬が警戒するクズ男臭のただよう先輩・諏訪の存在も見逃せず、マネージャーの由希をめぐって、そしてバスケ青春ものとしてまだまだ波乱が期待できそうだ。なお、13巻と同時刊行された『ピンクスクラップ』は由希&成瀬が一緒に旅行した殿&亜美カップルの番外編が収録。本編では描かれない殿くんの意外な一面もあわせて楽しみたい。

文=立花もも