慢性的な「不機嫌」とサヨナラ、「職業としての上機嫌」を手に入れるには?

暮らし

2018/8/27

『不機嫌は罪である』(齋藤 孝/KADOKAWA)

 現代人はみな、いつもイライラしている。通勤電車の中、不毛な長時間の会議…イライラは顔の表情や態度に表れてしまう。すると不思議なことに、イライラの連鎖で不機嫌が加速する。この悪循環を断ち切るにはどうしたらよいのか?

『不機嫌は罪である』(齋藤 孝/KADOKAWA)は、「語彙力」、「やる気」、「読書術」など、魅力的なビジネスパーソンになるための武器を伝えてきた著者が、それらの武器を有効に使うための重要なファクターである「機嫌」にスポットを当てたものだ。

■不機嫌にサヨナラ

 現代人のほとんどが抱える、行き場のない「慢性的な不機嫌」。意味もなくそんな不機嫌を世の中に撒き散らしている人のなんと多いことか。その裏には、「上機嫌=バカ」、「不機嫌=知的」という誤った構図があるのだという。不機嫌にサヨナラするためには、必要な3つのステップがあると、著者は提唱する。

・ステップ1 自分の「不機嫌の芽」を知る:「不機嫌がきているな」と思ったら、その場から離れ相手と距離を置き、冷静になる。

・ステップ2 からだを上機嫌モードにする:からだの調子を整えあたためて、不機嫌の芽がでにくくする。

・ステップ3 こころを取り戻すわざを身につける:気分が変動したときに煩悩から解放し、平常心を取り戻す技を身につける。

 著者が本書でいちばん伝えたいこと、それは、

現代では「職業としての上機嫌」が求められている

ということだ。世界随一の良質なサービス提供国であり、ものだけでなくサービスの質も問われるようになった日本。不機嫌であるということが、その人の資質の判断材料になり、不機嫌な人というレッテルを貼られることは、その人が損を被る傾向になってきているという。

■不機嫌は、なおせる

 著者は、不機嫌は「性格」ではなくあくまで「状態」であり、心がけひとつで不機嫌に染まりにくいこころを作ることができるという。気分や状態のベースを作り出しているのは「からだ」。それ故に、からだの状態を上機嫌に近づけることは大事なことだ。

 例えば、現代人のからだは冷たくて、硬い。上機嫌なからだは、「あたたかい」、「やわらかい」、そして「浮き立っている」(浮き足立っているとは異なる)。イライラしたり、緊張したり、疲れていたりする時に機嫌を整えるためには、「三、二、十五」の法則を用いる。

 やり方はとっても簡単で、名前の通り「鼻から3秒吸って、2秒お腹の中にぐっと溜めて、15秒かけて口からゆっくり吐く」だけだ。また、ちょっとテンション低めのときには「切り替えスイッチ」として、「とびきり好きなものを昼食に食べる」、「シチュエーションに合わせて音楽を聴く」ということも、手軽で即効性がある。

「不機嫌な人」から離脱するために、今日から少しずつ、からだと心を変えていこう。限りある大切な人生の時間を上機嫌で過ごすことができたら、こんなに幸せなことはない。

文=銀 璃子