フラれた腹いせに女の靴に猛毒を仕掛けたクズ男。実際にあった恐怖の性犯罪調書

社会

2018/8/27

『男と女の性犯罪実録調書』(諸岡宏樹/鉄人社)

 怖い話イコール幽霊や怪談というわけではない。実在する事件簿などを読んでいると、むしろ「人」こそが一番怖い存在なのではないかと思わされることはしばしばある。

 怨念や霊魂、超常現象、宇宙人、地底人…。その実在を否定するわけではないが、それらはなんだかふんわりとしていて、普通目には見えない。しかし、人がやらかした「常軌を逸した行動」は、疑いようがなく存在している。

『男と女の性犯罪実録調書』(諸岡宏樹/鉄人社)は、そのタイトルの通り、実際に起こった性犯罪の記録をまとめた1冊である。「性」にはとてつもないパワーがあり、ときにそれは人の生きるよろこびや幸福へと結びつくものだ。しかしその反面、凄惨な事件を引き起こす引き金になってしまうほどの魔力も持ち合わせているのだ。

 本書に収録されている「性」に狂わされ常軌を逸してしまった人たちの記録を、本稿ではかいつまんで以下に紹介したい。内容が性犯罪でありそこには被害者がいるため、いわゆる「胸糞注意」の内容も多く含まれる。その点をご理解いただいたうえで読み進めていただきたい。

■フラれた女性の靴に猛毒を塗るクズ男

 化学メーカーで毒劇物のフッ化水素酸を管理する男。40代で独身だった彼はかねがね、「何でオレが余るんだろう。世の中の女は贅沢すぎるんじゃないのか…」と考えていた。

 そんな中で職場に派遣されてきた被害者の女性は、そんなこじれた彼に対しても気さくに話しかけてくれる優しい人で、何よりも彼の好みのタイプだった。男は彼女の耳元で「僕のタイプです」と囁くようになり、そのアプローチがあまりにも露骨なため、彼女はそれとなく避けるようになる。

 しかし、経験の乏しさと勘違いとは恐ろしいもので、加害者の男はそんな様子をも「ただ照れているだけだ」と思い込み、彼女に付きまとうようになる。女性は「これ以上勘違いされたらますますマズい」と察し、別の同僚男性と親しく話す機会をつくるなどして、彼を意識的に遠ざけようとした。だが、その対処法は彼の中に嫉妬心を募らせ、理不尽な復讐心をも生み出してしまう。

 男は彼女の靴の中に、仕事で扱う猛毒のフッ化水素酸を忍び込ませる。彼女の足指は壊死し、切断せざるを得なくなってしまった。今まで通り歩くことができなくなった彼女へは、男から慰謝料500万円が支払われ、彼はその罪で懲役7年の刑に服することになった。

「思わせぶりな態度をとる女も悪い」と意見する人もまれに見かけるが、果たしてこの被害女性に非はあるのだろうか。また、もしあなたがこの女性だったら、どんな対応が考えられただろう? 結末が結末だけに、想像するだけでも恐ろしいシチュエーションだ。

■唇・乳房・女性器を切り取った猟奇殺人鬼

 自身が経営する整体院のチラシのモデルになって欲しいという理由でモデル事務所に派遣を依頼した犯人の男。広告のための撮影というのは実は嘘で、男ははじめから強姦するつもりでいたのだという。

 そんな事情を知らず、仕事として現場を訪れた被害者の女子大学生を思うといたたまれない。犯人が被害女性を縛り上げると、彼女は悲鳴を上げて暴れた。犯人はわいせつ行為どころではなくなり、「このままでは警察に通報されてしまう」と焦り、用意していたナイフを彼女の首に刺して殺害してしまった。

 そして、遺体を遺棄するために山に入った犯人は、「どうせ自分も自殺するんだから」と彼女の衣服を切り裂く。裸の遺体を見ているうちに、「今度こそ自分の思い通りにしたい」という欲望に駆られ、エスカレートした犯人。彼は刃物で遺体の乳房、唇、舌、果てには女性器をも切り取った。彼はひとりで悶絶し、征服感に酔いしれた。

 何の落ち度もないのに惨めに変わり果てた被害者の遺族は彼に死刑を望んだが、この犯人が自首した状況が最終的には犯人側に有利に働き、彼は懲役27年を言い渡された。罪もない被害者、その遺族の心中は察するに余りある…。

 どの犯罪でも言えることなのかもしれないが、何の落ち度もない人間が被害者として巻き込まれてしまう可能性があるというのが、実にいたたまれなく、そして怖いところだ。やはり人間は、どんな存在よりも恐ろしい。

文=K(稲)