疲れたら歩いてもいい! 楽しく、確実に走れるようになる「中野式ランニング術」とは?

スポーツ・科学

2018/10/6

『マンガでわかる新しいランニング入門』(中野ジェームズ修一/池田書店)

 ランニングは、ダイエットや健康維持のための手段として、老若男女問わずとても人気の高い運動だ。お金もあまりかからないし、走る時間・場所も自分の都合や条件によって融通できるから、気軽に始められるのがその理由だろう。とはいえ、いざ「ランニングをはじめよう!」と思い立ったときには、意外と決めることや準備が多く、悩んでしまいがちだ。ランニングに適した靴の選び方や、どのくらいの頻度で走ればよいのか…など、素人考えでは非効率、あるいは逆効果になってしまいそうで心配になる人も多いだろう。本稿で紹介する『マンガでわかる新しいランニング入門』(中野ジェームズ修一/池田書店)は、そんなランニング初心者の悩みを解消してくれるマンガ仕立ての入門書だ。著者は、卓球の福原愛さんの個人指導や、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導などを担当してきた、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏。本書で著者が提唱する“中野式ランニング術”は、まず“走る楽しさ”を考えているので、運動が苦手な人でも無理なくチャレンジできるはずだ。

■失敗しないシューズの選び方&履き方

 さて、ランニングを始めようと思い立ったときに、まず悩むのがシューズ選びだろう。著者によれば、初心者が特に重視すべきなのは、“衝撃の吸収性”だという。なぜなら、初心者は、まだ筋力が十分に備わっていないため、着地時にかかる衝撃で足を痛めてしまう恐れがあるからだ。よく「軽いから」という理由で靴を選んでしまう人がいるが、これはある程度筋力が備わった人用に衝撃吸収機能が削られたものもあるので、初心者向きではないという。初心者向けのサイズ選びのコツなどの要点も本書でわかりやすく解説されているので、ぜひ参考にしてもらいたい。

 さらに、シューズの履き方にも注意が必要であると続く。まず、かかとを床にトントンすることで、しっかりとヒールカップに収める。そして、靴紐は、つま先側から若干きつめに締め、そこからだんだんとゆるくなるように調整するとよいとのことだ。

■最初は走れなくて当然! 疲れたら歩こう

 しかし、ランニングを始めたばかりの時期には、短い距離でもすぐに走るのが苦しくなってしまうかもしれない。それに対して著者は、「苦しくなったら、歩く」でいいのだと語る。というのも、筋力不足の初心者が無理をするのはケガの元にもなるし、運動習慣のなかった人にとってはまず「歩く」だけでも筋力は増えていくからだ。始めてからしばらくは、この「ウォーク(歩く)&ラン(走る)」を繰り返し、少しずつ走る距離を増やしていこう。著者は、まずはこれを1回につき30分間×週2回行い、2カ月後には「60分間走り続けられる」ことを目指すことを推奨している。

 本書の後半では“痛くならずにフルマラソンを完走する方法”と題して、上級者向けの練習方法や、実際にレースに出場する際に気を付けるべきことなどまでわかりやすくまとめられている。そのため、既にある程度ランニング経験があり、もっと本格的に方法論を学びたいという人でも発見があるだろう。初心者から上級者まで、ぜひ本書を参考にして、マンガの登場人物たちと同じようにランニングを楽しんでほしい。

文=中川 凌