美少女が汗を垂らしラーメンを啜る『ラーメン大好き小泉さん』で、あなたのラーメンライフは100倍充実する!

マンガ

公開日:2018/10/16

『ラーメン大好き小泉さん』6巻(鳴見なる/竹書房)

 国民食とも呼べるラーメンの楽しみ方は、無限にあると言っても過言ではない。ラーメン代よりも高い交通費をかけ、行列に何時間も並んで名店の味を楽しむ。職場や地元の近くのお店に通い詰め、その店舗にある全メニューを制覇する。さらに、最近はカップ麺やインスタント麺もどんどん進化しているから、家でも手軽においしいラーメンが食べられる…。なんと幸せな時代なのだろうか。そんな私たちの“ラーメンライフ”をさらに充実させてくれるのが、マンガ『ラーメン大好き小泉さん』(鳴見なる/竹書房)である。

 物語は、クールで無口な美少女転校生・小泉さんが、放課後「ラーメン二郎」と思しきお店に並んでいるところからはじまる。「ラーメン二郎」とは、麺が見えないほどどっさりと積み上げられた野菜や豚のボリュームで知られるラーメン屋で、“ジロリアン”と呼ばれる熱狂的なファンが多数いることでも有名だ。クラスメイトの悠は、そのお店でたまたま小泉さんに会い、ものすごい量のラーメンを幸せそうに食べる彼女にドキッとしてしまい…。以来、悠は、飽くなき探求心で全国のラーメン屋をめぐる小泉さんに、(なかばストーカー気味に)付いていき、ラーメンの魅力に取り憑かれていく。

 小泉さんが訪れるラーメン屋は、誰もが知る有名店や、密かに行列のできている名店、珍しい趣向のお店などさまざまで、どれも行きたくなること間違いなしだ。2015年に早見あかり主演でTVドラマ化された際は、作中に登場する実在の人気店で撮影を行い、本物の店員も出演したことでも話題になった。筆者も毎回楽しみにしていたのだが、なにせ放送時間帯が深夜のため、かなり破壊力の高い“飯テロ”番組に…(笑)。

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『小泉さん』の特徴は、おいしいお店の紹介だけに留まらず、いろいろなラーメンの“粋な楽しみ方”も提案してくれることにある。例えば、「一風堂」や「天下一品」などの誰もが知る大手チェーン店の回ならば、好みの調整(スープの濃さや麺の硬さ)や無料トッピング、サイドメニューなどを駆使した“小泉さん流”のおいしい食べ方を教えてくれる。

 さらに、家ラーメン(家で作るラーメン)のアレンジレシピも充実。料理が得意な悠の手にかかれば、ちょっとした工夫でいつものインスタント麺が“ピザポテト風ラーメン”や“カルボナーラ風ラーメン”へと様変わりする。そして、小泉さんは、目の前のラーメンを本当においしそうに食べる…。

 頬を上気させ、汗を流しながら麺を啜る彼女の姿を一目見たならば、その日はもうラーメンを食べずにはいられない。

文=中川 凌