外交的な人はレモンの酸味に強い!? 科学的な性格分析で真の姿が見えてくる…

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2018/11/9

『性格がいい人、悪い人の科学』(小塩真司/日本経済新聞出版社)

「性格」とは、人がもっている心のはたらきの傾向や性質のことで、社会の中で生きる我々にとっては、人間関係までをも左右するもののひとつだ。だが、この性格という言葉には、どうも曖昧さがつきまとう。「性格がいい」という単純な表現でも、さまざまな意味で使われていることを皆さんよく知っているだろう。

『性格がいい人、悪い人の科学』(小塩真司/日本経済新聞出版社)は、自尊感情やサイコパシーなどの人の性格に関わる21の特性を紹介しながら、あいまいで誤解を生みやすい性格という概念を科学的にひもといていく。

■外向的な人はレモンの酸味に強い。そのワケは?

 本書によれば、人間の性格を表す指標は5つあるという。それは(1)外向性、(2)神経症傾向、(3)開放性、(4)協調性、(5)勤勉性の5つである。本書では、この5つの指標を基にさまざまな性格が説明されていくのだが、ここではそのうちのひとつである外向性について取り上げてみたい。

 外向的な人というのは、1人よりもグループでの作業を好み、指揮をとるような立場になりやすい人のことをいい、一般的に活動性が高く、強い刺激を求める傾向にあるという。ところが、外向的な人が必ずしも対人関係がうまいわけではないようだ。つまり、外向的で他者と積極的に関わろうとするけれども、コミュニケーション能力はそれほどでもないという人もいるということである。

 外向的な人を他の性格と比較してみてみよう。外向的な人は内向的な人と対比されることが多いが、この2者の違いはどこにあるのだろうか。外向的な人は自分が必要としている刺激を「外部」に求める傾向があるのに対して、内向的な人は求める刺激を自身で生み出せるというところにあるようだ。外向性を備えている人は外部に刺激を求めることが多いので、それに慣れ、耐えられることから、酸味という強い刺激をもつレモン果汁にも強いといわれているのである。

■刺激に敏感な人は、繊細な心の動きにも気づきやすい

 眠っていてもちょっとした物音で目覚めてしまったり、ちょっとしたにおいでも気になりだしたら止まらなかったりする人が、みなさんの周りにもいるかもしれない。刺激に対して過度に敏感な人はHSP(ハイリー・センシティヴ・パーソン)と呼ばれることもあり、場合によってはネガティヴな印象をもたれがちである。

 ところが、HSPだからといって負の側面を指すというわけでもなさそうだ。刺激に敏感な人は、刺激受容の閾値(キャパシティ)が小さいがゆえに、自然の奏でる音のように繊細な音を心地よく楽しむことができる。また、心に浮かんでははかなく消えてしまうようなちょっとした感情の起伏についてじっくり考えることができるというのもまたHSPに特有の性格だそうだ。刺激に敏感な人というのは、思想家の資質を備えているのかもしれない。

 本書に記載されている21の性格について特徴を知り吟味すると、自分の性格や身近な人たちの性格についても正しく理解することができよう。本書があらゆる人の人間関係の維持、改善の一助となることを願う。

文=ムラカミ ハヤト