【父親のための娘トリセツ】「パパ大嫌い」と言われたら、言ってはいけないNGワード

出産・子育て

公開日:2018/12/5

『パパのための娘トリセツ』(小野寺敦子:監修/講談社)

 父親と娘の仲は、いつの時代でもたいていこじれるものだ。思春期に娘から「同じ洗濯機で洗わないで!」と冷たくあしらわれるというのは、よく聞く。ふと「育て方を間違ってしまったのか…」なんて、友人たちに居酒屋でぼやく“オヤジさん”の姿も身につまされるところである。

 しかし、必ずしも上手く付き合えないわけではない。「娘が自立した大人になれるかどうかのカギは父親が握っている」とアドバイスするのは、心理学博士・小野寺敦子さんの監修の『パパのための娘トリセツ』(講談社)。本書には、幼児期から社会人にかけて、父親が娘とどう接するべきかという対策が詰め込まれている。

■2歳頃にやってくる“イヤイヤ期”には褒めるのが大切

 天使のような笑顔をみせてくれていたのに、自我の芽生え始める2歳頃になるとやってくるのが“イヤイヤ期”だ。娘としては自分のやりたいコトや好きなモノが明らかになり始めるのだが、父親からすると、子どもが反抗し始めたかのような印象を受ける時期でもある。

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 しかしもし、娘から「イヤ」という言葉を言われたら、父親がまずすべきなのは「なんでイヤなの?」と理由を問いかけることだ。さらに大切なのは娘の行動をそっと見守ること。うまくできたときには「すごい! よくできたね」と声をかけ、失敗したときには「失敗しちゃったけど、頑張ったね」と答えて、いずれにしても褒めてあげる。そうすることで娘に自信を与えることができ、父親への好感度も上がるのだという。

 そして、もう一つ大事なのは休日の使い方だ。娘が「パパ遊んで~」と声をかけてきたら、眠たい気持ちをグッとこらえて一緒の時間を過ごす。ふだんもし、室内での遊びが多いのならば外へ連れ出して、身体を使った遊びをしてあげるなど差別化を図ることで、スポーツが得意になる、スポーツ選手になるなど、将来に向けて娘の可能性を拡げることにも役立つ。

■小学生になった娘とはきちんと向き合って叱る

 幼児期が過ぎ、小学校へ通い始めると娘もより強く自己主張するようになってくるもの。ときには生意気な言葉を吐かれてしまい、落ち込むばかりかついつい娘に厳しい言葉を向けたくなる瞬間もあるだろう。

 場合によっては、娘を叱らなければならない場面にも出くわすだろうが、そんなときに「~しなさい」といった命令口調や、「何をやってもダメだ」と人格を傷つけるような発言、「勝手にすればいい」などの突き放すような言葉はご法度。じつは、叱るにもいくつかのポイントがある。

 例えば、娘の言い分をきちんと聞くというのは大切な姿勢の一つ。頭ごなしに否定するのではなく、納得できる部分はきちんと「分かるよ」と肯定しながら、叱らなければならない理由を静かに説明するのも必要だ。

 また、兄弟など他の誰かと比較して叱るのも控えてほしいところ。叱られる娘の気持ちをふまえてきちんと言葉を選びながら話せば、信頼関係もグッと深まるはずだ。

■思春期の娘に父親として言ってはいけないNGワード

 思春期ともなると、父親と娘のあつれきはよりハッキリしてくるもの。いわゆる第二次反抗期が訪れる時期でもあり、大人や親に対しての反発が強くなり、衝突する場面もいっそう増えてくることだろう。

 そんな時期を乗り越えようとする父親に向けて、本書では「中学生の娘に言ってはいけないNGワード」が紹介されている。

 例えば、何かのタイミングで「一人で大きくなったと思っているのか」と発言をするのはタブー。売り言葉に買い言葉で「産んでって頼んだわけじゃない!」と反発されるのは想像にたやすい。そんな場面で真に必要なのは父親としての冷静さを態度で示すこと。「お前のためにこれだけのことをしてきた」といった発言は、娘にとって負担になるので避けておきたいところだ。

 また、自立へ向かう時期でもある思春期に「女のくせにだらしない」「化粧なんてやめなさい」といった発言も禁物。娘の自己表現を認めてあげながら、年相応に許せる範囲なら静かに見守るような器量を持つのも、父親として必要な姿勢である。

 発達心理学の調査によれば、成人した娘が選ぶパートナーはよくも悪くも父親がモデルになるケースが少なくないという。本書をたよりに、娘の発達の時期に合わせて良好な関係を築いていってもらいたいものだ。

文=カネコシュウヘイ