LGBT、SaaS、PINって何の略? 新聞、ニュースがわかるようになる頭字語の事典

ビジネス

公開日:2018/12/27

『TJG 頭字語事典 教養を高める500ワード』(一校舎頭字語研究会/ワニブックス)

 先日、2018年の「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。女子カーリングの「そだねー」、政治関連では「ご飯論法」、セクハラ問題での「#MeToo」などが受賞しました。時にノミネートされていた「GAFA」という言葉はご存じでしょうか? 「GAFA」とは、世界中で個人情報を集積しているトップIT企業「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」の頭文字をつないだ総称です。

 英単語の頭文字をとった略語を頭字語といいます。ATMやLED、SNSなど、すでに日常生活に溶け込んでいる頭字語もありますが、日々、新たな頭字語は生まれ続けています。みなさんはニュースや新聞で使われる、これらの頭字語を正しく理解できているでしょうか?

 頭字語に悩める人におすすめしたいのが、『TJG 頭字語事典 教養を高める500ワード』(一校舎頭字語研究会/ワニブックス)です。今さら人に聞けない頭字語500語を収録し、経済、国際、生活、科学、スポーツ、医療などの分野ごとに解説付きでまとめた一冊です。

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 言葉は時代を映す鏡ともいいます。例えば、本書から今年注目された頭字語を5つ取り上げてみましょう。

■IR(Integrated Resort)

 カジノを含むショッピングモール、ホテルなどが一体となった複合観光施設のこと。カジノを解禁する「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(カジノ法案)」が、7月に自民、公明両党の賛成多数で可決しました。本当に観光と経済の活性化につながるのか、これから国民のみなさんが見極めるときです。

■LGBT(Lesbian, Gay, Bisexual and Transgender)

 同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー(主に心と体の性の不一致)など性的マイノリティのこと。同性婚の権利や、職場、教育現場での保障が世界的に認められつつあるものの、個人レベルでは差別や偏見が残っているのが実状です。お互いの多様性を認め合う世の中になってほしいものです。

■SaaS(Software as a Service)

 インターネットを通じて提供されるソフトウェア。「クラウドコンピューティング」の一形態で、スマホ、タブレット、パソコンなど複数の端末からアクセスできるDropboxなどのストレージサービス、Gmailなどのメールサービスなどを指します。SaaSで働き方が変わるともいわれます。

■PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)

 家庭用のコンセントから充電できるハイブリッド自動車のこと。9月に発生した北海道の大規模停電時には、PHV自動車からの電力供給により地元のコンビニがいち早く営業を再開し、市民のライフラインを維持したことで非常用電源車として話題になりました。

■PIN(Personal Identification Number)

 国民に割り振られた固有の識別番号。本書では「マイナンバー」のことと解説しています。消費税増税にともなう軽減策ではマイナンバー利用者に対してポイント還元をするという案が自民党から提出されていて、再び注目を浴びそうです。

 私たちの生活に影響しはじめた頭字語を挙げてみましたが、いかがでしょうか。

 頭ではわかっているつもりで実はうろ覚えだったり、正しい名称や意味を知らなかったり、短いけれど文字並びから意味合いが掴みにくいのが頭字語の難点。言葉が増えて覚えきれなくなる前に、本書を参考に頭を整理してみてはいかがでしょうか。

文=愛咲優詩