「◯◯はもう終わったの?」で部下はサガる! やる気も成果もアガる質問術とは

ビジネス

2019/1/25

『仕事が変わる!「アゲる」質問』(板越正彦/きずな出版)

 同じ内容の質問なのに、質問する人によってされた側が行動するかしないかが変わってくることがある。例えば、勉強や仕事を促す場合。ある人が促すと相手はやる気が湧き、別のある人だとやる気をなくす。もちろん、質問者のパーソナリティは大きく関係するだろうが、質問の仕方自体に大きな要因があるのかもしれない。

『仕事が変わる!「アゲる」質問』(板越正彦/きずな出版)によると、質問には、勉強や仕事の生産性やスピードを上げる「アゲる質問」と、反対にそれらを奪ってしまう「サゲる質問」がある。

「宿題はもう終わったの?」

 本書は、これを典型的な「サゲる質問」だとする。子どものやる気を引き出すためには、親は次のような「アゲる質問」をすることが望ましい。

「今日はどんな宿題が出たの?」

 この2つの違いがわかるだろうか? ヒントは「コーチング」である。

コーチングとは、“相手に問いかけることで、答えを自分で気づいてもらう”育成方法です。

 先の質問で、後者(「今日はどんな宿題が出たの?」)は、強制にも批判にもならず、しかし質問者が宿題に関心があるとわかる。子どもの気持ちは下がらない。

 コーチングを学べば、人を「アゲる質問」ができるようになれそうだ。しかし、コーチングの質問の仕方は、簡単ではない。勘所を押さえていないと、相手に響かないどころか、かえって相手を追い詰めることがある。また、コーチングで使う基本的な質問は100個以上もあるという。付け焼き刃では使いこなせそうにない。

 そこで、本書の著者は長年のコーチング経験から、人の生産性やモチベーションを上げるための「アゲる質問」を5つに絞って考案した。

(1)サクサク決断法
(2)タラレバ突破法
(3)やりきる力強化法
(4)原因深掘り法
(5)やる気スイッチ発見法

 本記事では、「(1)サクサク決断法」をごく簡単に紹介したい。

 やることが多いとき、人は何から手をつけたらよいか、わからなくなる。優先順位をつけられる人なら、このような場合でも乗り切るだろうが、優先順位をつけるのが苦手な人や、経験が浅い新入社員なら、パニックになりやすい。

 本書の「サクサク決断法」は、このような場合に、効果を発揮する。やることが多いときに選択肢を減らして、選びやすいようにする質問の仕方だ。具体的な方法としては、「枠づくり」をして、選択肢を絞る。

「いま一番やりたいと思っていることは、なんですか?」
「30分しかなかったら、なにから始める?」
「一番インパクトが大きそうな作業はどれ?」

 などのように数、時間、効果などで枠を作り、ひとつを選ばせる。この質問の仕方は、パニックになりやすい人だけでなく、ダラダラと作業をしがちな人にも有効だ。

 では、ひとつ、練習問題である。

 部下が、明日必要な会議の資料ができていないのに、急ぐ必要のない出張の報告書を作っている。あなたは、部下にどう伝えるか?

(1)報告書なんて後でいいから先に会議の資料つくれよ。そんなこともわからないの?

(2)なんで報告書を先にやるのかな? 会議の資料を先につくったほうが、いいんじゃないの?

(3)いま一番チームに貢献できる作業はどれだと思う?

 サクサク決断法を理解すれば、「アゲる質問」は(3)であることがわかる。多くの選択肢からひとつを選びやすい。本書によると、(1)はパワハラ認定される可能性すらある質問の仕方で、問題外。(2)は、(3)に似ているようで、“なんちゃってコーチング”。否定と批判とが透けて見え、しかも上司が答えを与えてしまっているからだ。

 職場の生産性を上げたい、部下の仕事のスピードを高めたい、チームのモチベーションを上げたい、という人は、本書が紹介している5つの「アゲる質問」で打開を図ることができそうだ。

文=ルートつつみ