寿退社した矢先にまさかの失恋…どん底の“スキル過剰アラサー女子”を救ったのは高級マンションのイケメンオーナー!?

マンガ

公開日:2019/2/3

『シンデレラ・コンシェルジュ』(七島佳那/小学館)

 失恋はとても辛いが、得るものも多くある。

 自身の至らなさを身に染みて感じるのはもちろん、「好き」という感情だけで、全てが上手く回るわけでもないことがわかったのは、長い目で見ると、確実にプラスになると信じている。

 また、相手の趣味や特技にいつの間にか詳しくなり、視野が広がった……! なんて方もいるのではないだろうか?

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 七島佳那のマンガ『シンデレラ・コンシェルジュ』(小学館)は、好きな人にとことん尽くす体質のせいで、いつの間にか特技や資格だらけのスキル過剰女子になっていた小牧愛希子(26)の物語である。

 物語は、主人公の愛希子が、会社を寿退社した矢先に失恋してしまい、同棲解消となったところから幕を開ける。あっという間に、職なし・住むとこなし・恋人なしの3重苦に陥った彼女は、親友のススメで、様々なスキルが活かせる、高級マンションのコンシェルジュの面接を受けることに。

 そこで待っていたのは、ミステリアスなイケメンの高級マンションオーナー・大庭(おおば)脩矢(27)だった。脩矢は、彼氏ができるたびにスキルが5つくらい増えていく愛希子の話を聞き、楽しそうに笑う。

 彼に気に入られた愛希子は、さっそく住み込みで働くことになるのだが――!?

 本書で印象的だったのは、「これまでのスキルの数は人生の汚点の数」だと自分を責めていた愛希子が、住民がより快適に過ごせるようお手伝いをするコンシェルジュの仕事を通して、自信と笑顔を取り戻していく過程である。

 例えば、パーティーの予定があったものの、「シェフが高熱で来られなくなってしまった」と困惑している住人には、調理師免許を持つ愛希子が代わりに料理をする。

 マグロをさばき、寿司を握り、デザートにはトルコアイスまで提供するその腕前は、招待客を喜ばせた。

 また、マンションに住む芸能人を狙う不審者を、幼い頃身につけた「護身術」で撃退することもあれば、DIYをして、地上からの視線を防ぐ仕組みまで製作することも。

 愛希子がコンプレックスに思っていた多くのスキルを活かすことにより、多くの住人が助けられ、ホッとした顔をする。そして何より、彼女自身が楽しそうに笑顔で働く様子に、いつの間にか読んでいる側も元気をもらっていた。

 もう一つ注目したいのは、マンションの最上階で暮らす謎の多い雇い主・脩矢と愛希子の恋の話である。

 これまで元彼たちに怖がられていたスキルを「あんたは密度が高いね」と言って褒め、時にはパーティーに愛希子を「彼女役」として連れて行く脩矢。

 二人のゆっくりと縮まる距離や不意打ちのキスにも、ドキドキが止まらなかった。

「スキル過剰女子」として怖がられていた愛希子が、その魅力を最大限発揮できる居場所を見つけ、大切な人と出会う過程が、テンポ良く、はじけるような笑顔と共に描かれている。

 読了後、胸の高鳴りと共に「私も頑張ろう!」ときっと励まされるはずだ。

文=さゆ

この記事で紹介した書籍ほか

シンデレラ・コンシェルジュ (1) (フラワーコミックスアルファ)

著:
出版社:
小学館サービス
発売日:
ISBN:
9784098702473