マクロ経済は難しい! でもグローバル経済のトレンドを勉強したいという方への1冊

公開日:2012/4/18

経済危機は世界に何をもたらしたか

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 東洋経済新報社
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:伊藤元重 価格:1,382円

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リーマンショックは100年に一度の金融危機といわれていますが、そのわずか2年後に欧州危機があり、この短い間に大きな金融危機が2回も起こったのはどうしてでしょうか? タイバーツの暴落から始まるアジア金融危機もちょっと前のような覚えもありますし、最近ガソリン高いなあと思う石油の高騰などもよくおきている気がします。

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こう考えると経済危機は頻繁におきていて、なんとなく慣れてしまった感じすらします。このような金融危機はなぜおきて、これから世界経済はどうなっていくかを勉強することは大変難しいのですが、それをわかりやすく、トレンドで解説してくれるのが本書です。

                                                   

さわりを引用しますと、金融危機は5年や10年に一度、世界のどこかで起きていますが、その規模は大きくなりつつあります。その原因として、グローバル化と先進国の高齢化が原因とのこと。先進国のベビーブーマーが退職年齢になり、その資産や年金を運用しようと金あまりがおきていて、そのお金がグローバル化した世界のさまざまなところに投資されていることが理由です。

運用先としては、主に不動産、新興国、そして石油や食料などの一次産品分野の3つ。リーマンショックはこのうち、不動産が過熱しすぎてその反動として暴落がおきてしまったことが原因です。そして、新興国では資金が急激に引き上げられたことで、東欧諸国などは深刻な経済危機に陥りました。しかし、これからまだ10年は大量のベビーブーマーが引退するので、その間は資産が運用益を求めて世界中をかけめぐることが、予想されるとのことです。

このように、難しいと思われているマクロ経済・国際経済でも、事象の順番をおって考えていけば、理解が進みます。グローバルな仕事に携わるビジネスパーソンや、資産運用で悩んでいる方には一読をお薦めします。


資産運用をする上でも、ドルやユーロがどうなるかを知りたいですね

リーマンショックは、少し前のことのようですが、大きな痛手を日本に与えました

日本の貿易収支が赤字になるのも近く、2015年以降は構造的赤字になるという指摘もあります

金融危機はなぜおこるのか? これはグローバル化と先進国での高齢化が原因と指摘しています