ご近所さん、家族、同僚……。人付き合いにおけるイライラを解決し、世渡り美人になるための一冊が登場

暮らし

公開日:2019/3/28

『50歳からはじめる 世渡り美人の言い方・伝え方』(河村都/産業編集センター)

 60代で独立という異例のキャリアを持つ、コミュニケーションや人材教育全般のプロとして活躍する河村都さん。今でもひっきりなしに仕事のオファーが絶えないパワフルウーマンで、研修や講演に日々駆け回っているそうだ。そんな彼女が『50歳からはじめる 世渡り美人の言い方・伝え方』(産業編集センター)という新刊を上梓した。

 本書は一言で言ってしまうと、日常に感じる「イライラ・モヤモヤの解決」にフォーカスした指南書である。『50歳から~』と冠しているため、「その歳からではないと参考にならないのでは?」と思ったら大間違い。60歳からでも大活躍している歴戦の彼女だからこそ、応用の利く芯の通ったアドバイスができるのだ。

 そもそも、どうして人は「イライラ・モヤモヤ」してしまうのか? 彼女曰く、根本原因は「一方通行」「溜め込む」「マニュアル思考」の3つのキーワードに仕分けできるという。よく簡潔に3つにまとめられるなと思いつつも、考えてみるとこれ以上の仕分けは意外と見当たらない。日常の不満の原因は、実はごくごくシンプルなことから生じているものだと改めて気付かされる。

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 実際に、彼女自身は自他ともに認める「イライラ・モヤモヤ」とは無縁の人だそうだ。それは、そうなる仕組みを知っているからに他ならない。本書では仕組みの話の他に「接客対応」「公共の場」「ご近所づきあい」「家族間」「職場」の5つのシーン別「イライラ・モヤモヤ」の対処法とその話法をズバッと解説している。

 読み進めていけばいくほど難しいと感じるテクニックは1つもなく、全て日常のちょっとした出来事にフォーカスしている分、スッキリ感やヒントを得やすい。特に、同調圧力に負けない方法や職場での周りとの接し方、その対処法については、どの世代にも共通して使えるテクニックだと感じた。

 また、一貫して各エピソードの最後は「黙っていないで、伝える事」を説いている。「それができたら苦労しないよ!」という人こそ、本書を通してどうして伝えづらいのかという仕組みや、簡単なテクニックを理解してみてはいかがだろう。

文=修羅ガール