性格を変えたいと思っている人必見!性格の悩みを解消する方法とは?

人間関係

2019/4/9

『「性格」のカラクリ』(苫米地英人/誠文堂新光社)

 人間関係や仕事などでうまくいかなくなったときに「自分の性格が違っていたら、もっと良い結果になったのでは」と考えたことはありませんか。「誰とでも明るく接することができる性格だったら友達や恋人も作れていたのではないか」「前向きな性格なら仕事もうまくいっていたに違いない」「もっと素直な性格なら、こんなに家族と喧嘩にならないはずなのに」などと考え、自分の性格を恨み自己嫌悪に陥る人もいます。しかし、性格を変えたいと思っても実際に変えることは難しく、ネガティブに毎日を過ごしている人もいることでしょう。

 そんな性格に翻弄され悩んでいる人たちにおすすめの1冊が『「性格」のカラクリ』(苫米地英人/誠文堂新光社)です。著者は国内外で広く活躍する認知科学者。オウム真理教の一連の事件が起きたときに公安から依頼を受けて教団信者の洗脳を解いた人としても知られています。本書で著されているのは、そもそも性格なんて存在しないという驚くべき話と、“性格”にまつわる悩みの解決に向けた具体的な方法やヒントです。

 自分の性格を変えたいという気持ちはあるのに変えることを諦めてしまっている人のなかには「性格は生まれながらに持っているものだから、今さら変えることなんてできない」と考えている人もいます。確かに、性格を変えることは簡単なことではありませんよね。

 その理由として著者は、そもそも“性格”というものは存在すらしていないのだから、実体のないものを変えられるわけがないと話します。人には固有の性格などなく、自分の性格と考えているものは、他人との比較や周囲から言われた言葉の記憶などによって勝手に自分で抱いている自己イメージに過ぎないというのです。人の思考や行動の傾向は後天的に作られた認識パターンに基づいたもので、人が強く信じている固定的な考え方とか社会や他人からの洗脳によって決められているといいます。また、遺伝するものではないため生まれながらに持っているわけでもないというのです。

 そもそも、人にはさまざまな側面があります。人の性質や気質は、“性格”という一面的かつ固定的なもので表現することは難しいものです。たとえば、明るくて話し好きな性格といわれている人でも、状況や一緒にいる相手によっては無口になりおとなしくなってしまうことはあります。世間で“性格”と呼ばれているものは、評価する人の主観が入っていたり、状況や環境によって変わってしまったりする曖昧なものだからです。

 たまたま、無口な人ばかりに囲まれた状況にいれば、人より少し多く話しただけで「話し好きで明るい性格」と判断されることもありますし、おしゃべり好きの人ばかりが集まっている環境にいれば話していても目立たず「おとなしい性格」と評価される可能性もあります。また、「明るく快活で、誰とでも仲良くなれる人」とプラスのイメージで持たれる人が、別の人からは「暑苦しくて遠慮がなく、何の深みもない人」とマイナスに捉えられる場合もあるのです。

 だからこそ、“性格”を変えたいと悩んでいる人は本当に変える必要があるのかをもう一度考えてみることを著者は勧めています。

 しかし、それでも、やはり変わりたいと思っている人には、マイナスの自己イメージや思考・行動を変えるための3つの手段も紹介しています。「環境を変える」「性格を見つめ直す」「自己対話の内容を変える」という方法です。

 思考や行動の傾向は、人が信じている固定的な考え方や、一緒にいる相手などによる環境の影響を大きく受けるといいます。そのため、紹介している3つの手段のひとつ「環境を変える」だけでも、多くの場合、自ずと思考や行動の傾向は変わってくるようです。具体的には、くよくよしてしまう性格に悩む人であれば、くよくよしやすい状況や、くよくよするときによく一緒にいる人から離れた生活に変えてみます。人は一緒にいる相手の態度や行動に引きずられやすいため、穏やかな性格になりたいと思ったら穏やかな性格の人と一緒にいるようにするのも方法ということです。

「性格とは対人戦略である」と考える著者は、性格に悩んでいるのは他人に自分をコントロールされているからだと指摘します。“性格”のカラクリを解説した本書を読んで自分自身や他人との上手な付き合い方のヒントを知れば、性格にまつわる悩みを改善し、嫌いだった自分を好きになるきっかけが作れるかもしれませんよ。

文=Chika Samon