アンダーラインを引くのは残念な勉強法!? 大人が最短で成果を上げる超効率的な方法は?

ビジネス

公開日:2019/4/24

『最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法』(メンタリストDaiGo/学研プラス)

 世の中には、暗記術や勉強法がたくさんある。向上心がある人たちは、その中から自分に合ったやり方を見つけようとするわけだが、成功することがあれば失敗することもある。考えてみれば、私たちは学校で勉強を教わったが、“勉強の仕方”はほとんど教わってこなかった。だがそれについて愚痴をこぼすのは、みっともないかもしれない。本気で勉強するつもりならば、試行錯誤しながら自分に合った方法を見つけているだろうからだ。そんな折、衝撃の言葉が目に入った。

“あなたが学校で教わった勉強法は、9割が間違っています。”

 これは、メンタリストDaiGo氏の著書『最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法』(学研プラス)の冒頭で述べられている一節。勉強の仕方を教わっていたとしても、その9割が間違っているとしたらなんとも悲しい話である。

■教科書にアンダーラインを引く…は勉強法としてNG!?

 本書は、次の7つの勉強法について、「効率が悪い」と唱える。

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1:ハイライトまたはアンダーライン

2:語呂合わせ

3:テキストの要約

4:テキストの再読

5:集中学習

6:自分の学習スタイルに合わせる

7:忘れる前に復習する

 本書は、上記のそれぞれについて、“駄目な理由”を述べている。例えば、勉強法の王道ともいえる「1:ハイライトまたはアンダーライン」を引く行為。本書によると、この方法の問題は、ハイライトを引いただけで脳が満足してしまう点。さらに、特定の情報にだけ意識を集中させるため、使える知識として身につかない、ともいう。そういわれれば納得する部分がある。

■今までの勉強法で成績が上がらなかった理由は――

 実は、上記の7つの勉強法には、共通している点がある。それは、「アクティブな勉強法でないこと」だ。「6:自分の学習スタイルに合わせる」も、実際には「読書をする」「音声を聴く」といった、本書いわく“型にはまった受け身の勉強法”を選択している。ちなみに、授業を聞きながらノートを取るという行為も、本書は“受け身の姿勢”だとしている。

 本書は、こういった指摘を踏まえて、「使える勉強法に共通するたった1つのポイント」と「その勉強法」を明らかにしている。詳しくは本書に当たってもらいたいが、本記事をここまで読んでくれた読者に、すこしだけその姿を紹介したい。

 教育界だけでなく、今や世間に認知が広がってきている「アクティブラーニング」。積極的(アクティブ)に学習(ラーニング)に取り組んでいく手法のことだが、本書が「万人に開かれた科学的な勉強法」として推すのもこの「アクティブラーニング」だ。

「なんだ、いまさら…」と落胆しないでもらいたい。本書が示す勉強法は、「いま勉強した内容を隣の人と教え合う」といった巷でよく見るレベルのアクティブラーニングではない。本書が勧めるのは「アクティブすぎるほどのアクティブラーニング化」だ。本書から一例のごく一部を挙げてみよう。

 メンタリストDaiGo氏は、大学受験のころに「アクティブすぎるほどのアクティブラーニング化」を実践し始めた。使うのは、受験生からの支持があつい参考書『青チャート』。普通は、これを1ページ目から順番に進める。しかし、これでは「アクティブさ」が足りず、前半のブロックだけで息切れしやすい。あるいは、飽きがくる。そこで、氏は次のように進めることにした。

(1)1週間ほどかけて、すべての例題をさらっと見て、概要をボンヤリと頭に入れる

(2)ページごとにバラバラになるように裁断する

(3)1ページずつの紙になった青チャートを混ぜ合わせ、ページの順番をバラバラにする

(4)解説の順番が完全にデタラメになったオリジナル青チャートに取り組んでいく

「そんな滅茶苦茶な方法で効果が上がるものか」と信じられない気持ちかもしれない。氏自身、当時は「まさにカオス、脳の中は混乱状態です」と正直な気持ちを述べている。

 しかし、この「青チャートバラバラ勉強法」によって、他の勉強法では得られない3つの効果があったと氏は明らかにしている。

 1つ目は、応用問題に強くなったこと。2つ目は、試験に強くなったこと。さまざまなタイプの問題にランダムに取り組むことになるので、この2つは当然の結果だろう。そして、3つ目こそが大切なメリットだと氏はいう。「勉強に飽きなくなった」ことだ。勉強が続かない人の多くは、「先の予測がつきやすい勉強法」を実践しているという。「青チャートバラバラ勉強法」は、先の予測はつかないのだ。

 本書のテーマは、「青チャートバラバラ勉強法」を推奨するものではない。さすがに万人向きではないだろう。本書が伝授するのは、誰もが実践できる「アクティブすぎるほどのアクティブラーニング化」の方法だ。効率的、かつ結果を出せる勉強法に悩んでいる人は、ぜひ紐解いてみてほしい。

文=ルートつつみ