ボーっと生きてんじゃねーよ! 今話題の過激な幼女チコちゃんに学ぶニッポンの雑学

エンタメ

2019/4/26

『チコちゃんに叱られる!』(NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班/小学館)

 永遠の5歳児に、全国のファンがフィーバーしている。その毒舌でときに大人を小馬鹿にする女児は、東京の高級住宅街・港区白金に住んでいる。好きな食べものはあらびきウインナー。好みのタイプは横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手と、ジョン・トラボルタ。ファンを自称していて、ここまでのヒントで女児が誰かわからなかったら、きっとこう叱られる。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と。

 NHK総合テレビの番組でいかんなく魅力を振りまく「チコちゃん」が本になった。『チコちゃんに叱られる!』(NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班/小学館)は、実際に放送された番組の内容から厳選されたテーマが、出題と回答という形で記されている。同時に、目からウロコの解説も書かれていた。

 さて、別れのシーズンでもある3月はもう過ぎたが、あなたは「人と別れるとき、なぜ手を振る」のか、知っているだろうか。まさか、知らずに手を振っていた? そんなあなたに、きっとチコちゃんは「ボーっと(略 。

 番組のファンはご存じのことと思うが、答えは「相手の魂を引き寄せるため」。どういうことか。古来、日本では服の袖には魂が宿ると信じられてきた。手を振ることで愛しい人の魂を引き寄せられる、と考えられてきたようだ。

 本書によると、日本人が人と別れるときに手を振っていたことが確認できる最古の資料は、次の元号「令和」の典拠とされる、日本最古の歌集『万葉集』。この中に、「袖振(そでふり)」という言葉があり、「手を振る」に当たるそうだ。ちなみに、『万葉集』には4536首の歌が収録されているが、うち25首の歌に「袖振」の言葉が見られる。チコちゃんいわく、「袖を振りまくっているのね」とスルドイ。

 あなたもこれからは、特にしばらく会えない人に手を振るとき、相手の魂を吸い取りたいという願いを込めると、再会が実現しやすくなるかもしれない。相手がそれを知っていて、重すぎる想いを悟った日には、引かれるかもしれないが。

文=ルートつつみ