必要なのは1冊のノートと1本のペン。人生が180度変わるバレットジャーナルとは

ビジネス

2019/6/17

『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』(ライダー・キャロル:著、栗木さつき:訳/ダイヤモンド社)

 スケジュール管理は手帳派と、スマホのスケジュールアプリ派とに分かれるところです。手帳はかさばるし、忘れることもあるので肌身離さず持つ習慣がついているスマホの方がスケジュール帳として使い勝手がいいと感じる人もいるかもしれません。デジタルの時代になりつつある今に、あえてノートに手書きでメモすることを勧めるのは『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』(ライダー・キャロル著、栗木さつき:訳/ダイヤモンド社)です。

 わたしたちの誰もがよりよい人生を送りたいと思っています。そのために何か新しいことを始めなくてはならないと思っているものの、時間を作るのが難しいと感じている人は多いでしょう。ところが、よりよい人生を送るために必要なのは始めることではなく「本当は大切ではないものを手放す」ことだとしたらどうでしょうか。

 そうしたある種の欠如感を持っている人におすすめしたいのが、本書で紹介されているバレットジャーナルなのです。バレットジャーナルとは、頭の中を整理するために編み出された究極のノート術。「なんだ、ノート術か」と思った人こそ、ぜひ試してみてください。このノート術の魅力は、単なるノート術以上のものを得られることです。イベント、タスクなどの未来の予定に関わることだけでなく、日々の行動の記録や、心に浮かんだことなどを自由に箇条書きで短く書き留めていくのが特徴です。

 バレットジャーナルが大切にしているのは「ネットワークと接続していない空間でじっくりと問題を検討し、考え、集中する」ことです。毎日を忙しく過ごしていると、自分の内面に意識を向けて、将来について考える時間はほとんどありません。そうした状況が続けば続くほど「何かが足りていない」と感じるようになる人も増えていきます。

 バレットジャーナルのもう一つの特徴は、振り返りの時間を持つことです。振り返りの時間では週の終わりや月末に、その期間に完了したこととしていないことの両方を確認します。完了していないタスクは、次の週や月の予定に移動させるかどうかも考えていきます。意識的にこうした時間をとることで、自分がどんな成果を挙げてきたのか、そして今後なにをしたいのかをしっかりと見つめることができるのです。それによって、本当にやりたいことに集中できるようになります。本書の中で印象的だったのは次の一文です。

「なぜ」それをしているのかによって行為の意義は変わる

 わたしたちは日々多くのタスクをこなしています。しかし、なぜそれをしているか考え抜くことができている人はどれほどいるでしょうか。たとえば、年始に「ダイエットで10kgやせる」という目標を立てたとします。そうしたら、なぜ10kgやせたいのか?と考えてみるのです。10kgやせて何をしたいのか。一見、もっともらしい動機の下に隠れている真の動機をはっきりとさせておくことで目標実現の可能性はずっと高まるといいます。

 反対に「なぜ?」という質問に答えることができなかったら、その目標設定は間違っている可能性があります。自分が本当に望むものではなく、他人の目標を自分の目標にしてしまっていることもあるからです。そう言われてはっとする人は少なくないのではないでしょうか。

きちんと方向を定め、目的地にたどり着きたいのなら、まず、自分の心のなかを見つめなければならない

 本書は、ノート術の枠組みを越えて自己啓発書の様相も呈しています。これまでにさまざまなビジネス書を読んだりセミナーに通ったりして、目標設定をしてきたけれど効果がいまひとつ、という人は目標設定のあり方から見直してみましょう。

 思考を整理するツール、バレットジャーナルはきっと自分が本当に望むものが分かる手助けをしてくれます。1冊のノートと1本のペンで、人生は変えられるのです。

文=いづつえり