無神経なあの人にはこう切り返せ! カウンセラー直伝の言い返す技術とは?

暮らし

2019/7/2

『「言い返す」技術』(五百田達成/徳間書店)

「お前って、ほんと気がまわらないな。仕事遅いよ」

 こんなことを人に言われたらどうするか。

(1)ムカっとしつつも、顔には出さず、「そうですね、すみません」と返す
(2)言ってきた相手を火炎放射器でなぎ払う

 気持ちとしては(2)を瞬時に選ぶところだが、なかなか現実にはそうはいかない。

 しかし、毎回(1)のような対応をし続けた場合、「こいつも反省しているようだし、自分も言い過ぎたかもしれない」と思う相手ならいいが、たいていの場合「こいつは言い返さないな」と判断され、よりきつい嫌みが飛んでくる。

 そもそも(1)を選んだとしても、胸の中にモヤモヤが残るはずだ。かなりの確率で「あのときはああ思ったけど、実はさ~」などと後日友人に愚痴混じりに話すことになる。その場は丸く収まったとしても、何度もそのような話を聞かされては友人だって困るだろう。

 よって、(3)「ピシッと言い返し、相手に釘を刺す」という手も覚えておいた方が良い。

『「言い返す」技術』(五百田達成/徳間書店)には、心理カウンセラー・五百田達成氏が提唱する、ムカっとくる言葉に言い返すための会話メソッドが37紹介されている。「あのとき言えなかったけど、言い返しておけば良かった!」と後で地団駄踏むタイプの人に読んでいただきたい1冊だ。

 言い返すためのメソッドとは? いくつか例を紹介する。

■ダメ出しばかりしてくるヤツにはポジティブに返そう

「この企画書読みにくいな。趣旨がぼやけてるし、フォントもよくない」
「今日のファッション、浮ついてるね。その服の色、似合ってないよ」

 重箱の隅をつつくようなあら探しをする人は、ダメ出しがクセになっていることが多い。ただ肯定するよりも、欠点を指摘する方が、仕事ができるような気分になるからだ。改善のためのアドバイスをくれるかというと、そうでもないのがまた腹立たしい。

 そんなときは、相手の発言をすべてポジティブに言い返そう。

「この企画書読みにくいな。趣旨がぼやけてるし、フォントもよくない」
「たくさん言いたいことがあって! フォントを変えれば完璧ですよね!?」

「今日のファッション、浮ついてるね。その服の色、似合ってないよ」
「春らしくていいでしょ! 好きな色なの!」

 ポジティブに相手の発言を変換することによって、次第に相手も呆れて「完璧ではないけど、まあ、いいんじゃない?」「好きならいいけどさ…」と苦笑混じりに言い始めるだろう。相手がダメ出しするのもバカらしく思えてきたらしめたものだ。

■セクハラ発言にはオウム返しで返そう

「最近太ったんじゃない?」
「今日はデート? メイクばっちりだね」

 容姿について言及するセクハラ発言。

 五百田氏曰く、セクハラ発言をする人間は、「恥ずかしくなる話題を振って照れる様子を見たい、もしくは性的な話をすることで距離を縮めたい」んだそう。そんなことを言われた日には、距離は縮まるどころか百億光年も遠のくだろうが、言っている当人は気付かない。

 このようなときには、相手を真顔で見据えながら、相手が言った発言をゆっくりオウム返しで繰り返そう。

「今、太った、っておっしゃいました?」
「デート……?」

 このとき、なるべく初めて聞いた言葉のように繰り返すと、相手に自分が下劣なことを言ってしまったと自覚させることができる。この方法の欠点は、自分の発言が下劣であることを自覚できない人間には効果がないことだが、まだ理性が残っている人間には効果的だ。

 とはいえ、だ。本書で紹介されている事例には、わかりやすい嫌みや自慢だけでなく、「う~ん、別に相手が悪いわけでも、自分も本気で怒っているわけではないけど~?」みたいな事例も紹介されている。

「言い訳が多い人」「がんばったアピールをする人」などへの言い返し方などがそうだ(ちなみにこの対策は本書194頁と224頁を開いていただきたい)

 読み終わったときに、きっと「こんなにムッとする事例があるということは、自分も知らずに相手にムッとさせることを言っているんだろうなあ…」と思う人もいるだろう。この本で理不尽な言葉に言い返す強さをもらった後は、自分の言葉が話す相手にどう捉えられているかも、ちょっとだけ考えてほしい。

文=音田アユム