ドラクエも人生の教科書! ゲームを仕事に役立てるためのマインドとは?

ビジネス

公開日:2019/7/2

『ゲームは人生の役に立つ。生かすも殺すもあなた次第』(小幡和輝/エッセンシャル出版社)

 何か悪いことが起きるたびに、ゲームがやり玉に挙げられがちだ。世間では「ゲーム脳」やら「ゲームをするとバカになる」やら、とかく批判的な意見を浴びせる人たちの声も目立つ。しかし、実際にプレイしている立場からすれば、ゲームが「果たして本当に悪いのか?」と疑問も抱く。

 どこかモヤモヤした気持ちを抱えたまま、手に取った一冊が『ゲームは人生の役に立つ。生かすも殺すもあなた次第』(小幡和輝/エッセンシャル出版社)だ。かつて不登校だった時代にゲームで救われたという著者は、みずからの思いの丈を綴っている。

■仕事を“ゲーム感覚”で攻略しながら楽しむ

 ひとくちにゲームといっても、世の中にはさまざまな種類がある。家庭用ゲーム機に代表されるテレビゲームや、今ではスマホのゲームアプリも主流。ボードゲームやカードゲームといったアナログなゲームなど、その定義は多岐にわたる。

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 人生の中で、さまざまなゲームにふれてきた著者。現在は、不登校の当事者に向けた全国的なイベントなどを手がけているが、仕事にもゲームで培われた経験が生きていると述べる。

 その一つが、実際の作業に「ゲーム感覚」を取り入れることだ。高校時代に調理関係のアルバイトをしていた著者は、料理作りの過程をゲームのように楽しんでいた。回鍋肉と野菜炒めといった、使う食材が同じような料理ならば2品同時に調理を始める。コンロとテーブルの距離をみきわめ最適な立ち位置を決めるなどして、毎日のように“タイムトライアル”に挑んでいたという。

 ほんの一例であるが、大切なのは「ゲーム感覚で取り組む」という意識。攻略法を考えるように「何かの壁にぶちあたったときには、その壁をクリアする方法をゲームのように思考する」ことが仕事を楽しむコツだと述べている。

■ドラクエから学べるのはチーム作りやスキルアップの秘訣

 人生はRPGに似ている。なんとなく共感をおぼえる人もいるかもしれないが、著者は老舗の大作シリーズ「ドラゴンクエスト」(以下、ドラクエ)から、チーム作りとスキルアップの秘訣を学んだという。

 ドラクエでは基本的に、プレイヤーは勇者である主人公を操る。しかし、勇者が必ずしも強いわけではない。パワーを比べれば“戦士”に負けるし、魔力は“魔法使い”の方が上回ったりと、それぞれの長所で短所を補いながらパーティーを組み“魔王”を倒すという一つの目的へと向かうが、これはまさに「そのまま仕事に置き換えることができる」と著者は述べる。

 また、もう一つ学んだというのが「転職」による“スキルアップ”だ。ドラクエはシリーズによって、ある一定のレベルに達すると違う職業へ転職できるシステムがあるが、以前の能力を引き継いだまま別の道を歩むことができる。例えば、戦士が魔法使いへ転職すると「魔法戦士」になったりと、経験をムダにすることなくより強い職業へ転職していくことができる。

 このシステムにより「一つひとつのスキルは平凡でも、組み合わせれば大きな力となる」ことを学んだという著者。仕事においても、ドラクエのように「自分の価値を高めていくことは非常に重要」だと主張する。

 さて、批判的な意見がとりわけ目立つゲームに対して、肯定的に捉えた本というのもなかなか珍しい。色眼鏡で見るだけではなく、ゲームは人生の“教科書にもなりうる”ということをぜひ多くの人に知ってもらいたい。

文=カネコシュウヘイ