これからの時代に必要な「レア力」の超簡単メソッド!

ビジネス

2019/7/18

『レア力で生きる 「競争のない世界(ブルーオーシャン)」を楽しむための学びの習慣』(小宮山利恵子/KADOKAWA)

 あなたは「自分の強み」をはっきりと言うことができるだろうか。かつて就活の時に必死に考えたという人も、いざ社会に出てみるとあまり考えたことがないかもしれない。だが、例えば転職など新しいステージに挑もうという場合、自分の強みの確認はとても大事になってくる。できればその強みが「人と違うもの」だと望ましい…が、なかなかそうはいかないもの。とはいえそのまま人と同じような強みしかない自分で大丈夫なんだろうか?

 そんな不安を感じたら『レア力で生きる 「競争のない世界(ブルーオーシャン)」を楽しむための学びの習慣』(小宮山利恵子/KADOKAWA)がヒントを与えてくれるかもしれない。レアとは「rare(希少なことの意)」のことであり、タイトルにある「レア力」とは人と違う強みのこと。多様性が広がり「組織」ではなく「個」がますます重視されていくこれからの社会の中で、こうした強みを持つ人こそがレアな人材として注目されると本書はいう。

 実はこのレア力、誰の真似でもない自分だけの「好き」を追求することで生まれるものだとか。つまりアナタの中にも、このレア力の芽はあるのだ。大事なのはそれを発見し、「学びの習慣」でより磨きをかけていくことなのだ。

 著者は現在リクルートのスタディサプリ教育AI研究所所長などの立場で、国内外の教育の実情や未来について研究するエキスパート。「どんな子ども達にも平等に教育の機会を与えたい」と夢を語る著者の原点には、父親からの激しい虐待と、奨学金をもらうことでギリギリ進学できたという「学ぶことでしか生きられなかった」家庭環境があるという。かつては人に知られたくなかったそうしたネガティブな過去も、発想を変えれば「レアな経験」、つまり著者の「レア力」であり、未来に進む大きな原動力になっているという。

「いやいや、自分にはそんなバックグラウンドはないから無理」と思う人もいるだろうが、うれしいことにレア力は自ら「学びの体験」を繰り返し、経験値をあげればちゃんとついてくるものだとか。例えば「旅をする」など、いつものコンフォートゾーン(居心地のいい楽な場所)から脱してみるのもいい。旅先を日本とまったく文化の異なる国にすれば、世の常識や普段のバイアスを外し、自分の可能性を知るいい経験になるし、旅先のレアな体験への応用力はそのまま自分のレア力にもなるだろう。とにかく勇気を出して、自分で「やろう!」としなければ何事も始まらないのだ。

 また自分自身の個性に向き合い、「自己理解」を深めていくのも大事な学びだ。本書に紹介されている様々なメソッドを利用して再認識する自分の「好きなこと」や「強み」は、そのまま自分のレア力のベースとなる。もしかしたら「本当はこう生きたい!」という、自分の夢を再発見することだってあるかもしれない。

「学び」というとつい学校を連想するせいか、総じて大人になると学ぶことから遠ざかってしまう人は多いもの。だが本書はレア力を鍛えるための学びは日常の中にいくらでもあると教えてくれる(例えば読書にしても、知らない世界を知るための大いなる学びになるのだ)。大事なことは、まずは学ばないマジョリティから脱出し、「学ぶのが当たり前」の人になること。本書をヒントに学びを習慣化するうちに、自ら「学びのチャンス」を発見できるようになるかもしれない。それこそが最強のあなたの「レア力」になるはずだ。

文=荒井理恵