好かれる人が無意識にやっているルール。今日からマネできる秘策とは?

ビジネス

2019/8/30

『神トーーク』(星渉/KADOKAWA)

「みんなが自分の思い通りに動いてくれたら…」なんて妄想を一度はしたことがあるかもしれない。もちろん相手は人間なので、難しいことはわかっている。でも、仕事をするうえで初対面の人と接する機会が多いという人は多いだろう。“思い通り”とまでは行かなくとも、初対面の人ともスムーズに仕事が進められるヒントが欲しいものだ。

 そんな想いに光を当てるのが、科学的根拠をもとにさまざまな対人テクニックを伝授してくれる『神トーーク』(星渉/KADOKAWA)。日常のさまざまな場面で、すぐに実践できるテクニックの中から、特に気になったポイントを紹介しよう。

■相手のことを名前で呼ぶ

 自分の名前が間違えて呼ばれる――そんなとき、あなたはどう思うだろう? 自分は名前を覚える価値もない存在なのか、と少し残念に思うかもしれない。

 名前を覚えるということは、人の心を動かすコミュニケーションの最低限の準備。当然、名前を覚えるだけではなく、名前を“呼ぶ”ことが大切だ。そうすると、自分が決してモブキャラなのではなく、価値ある一個人と認識されていると感じるはずだ。

 自分を尊重してくれる人に好感をもつことはあっても、嫌悪感を抱くことはないだろう。そこから、かけがえのない信頼関係が生まれるのだ。

 これはSNSやメールなどのやりとりでも活用可能。例えば、「ありがとうございました」と伝えるよりも「○○さん、ありがとうございました」と、名前を入れたメッセージをもらう方が何だかうれしくないだろうか。

 これを「当然じゃん!」と侮るなかれ。こういったことを意識してできる人はどれほどいるだろう。きっと、多くないはずだ。実践できれば、きっとアナタの印象が変わるだろう。

■否定をしないこと

「相手に安心感を与えるために重要なのは、絶対に否定しないこと」

 著者の星氏はそう述べる。頭ごなしに他人から否定されると、やはり腹が立つし、相手に対して安心感を抱くことはないだろう。要するに、人は否定されたくはないし、傷つきたくないということだ。

 否定をしないことで、「ちょっとあの人に相談してみようかな」と思われやすくなる。そして、誰かにとっての相談役になれれば、しめたもの。自然と色々な情報が集まる。そして、その情報を上手に使えば、自分にとって有利な選択がしやすくなるだろう。

 ただし、なんでも「受け入れる」のではなく、「受け止める」というスタンスが大切だ。否定せずに相手の言い分を聞き、いったん飲み込んだうえでアドバイスする。そうすれば、こちらの意見に耳を貸してくれる可能性が高くなるそう。本書によれば、人は自分の考えを全て吐き出してからでないと、新しい意見に納得できないという。だからこそ、一度相手の想いを受け止めなければいけないのだ。

■「好意の返報性」をフル活用する

 人から何かプレゼントされたら「お返ししなきゃ」と思わないだろうか? ズバリ、それが「返報性の法則」だ。

 この法則は“モノ”だけでなく、“気持ち”にも当てはまるという。例えば、「あなたのことが好き」と言われたら、その人のことを邪険には扱えない。好意には好意で返したくなるもの。そんな法則を活用できれば、相手からの信頼はぐっと厚くなる。

 だが、面と向かって「好きだ」と一方的に言うのは正直面倒だ。そして、何よりも恥ずかしい。そんなときには「このチームのみんなが好き」とか「あなたのあきらめない姿勢が好き」でもOK。

 それも厳しいという恥ずかしがり屋さんは、「その食べ物、私も好きなんですよ」というレベルの小さなことでも好意や共感は伝わる。とにかく、「好き」の気持ちを言葉にして伝えることで、自然と味方が増えていくはずだ。

 本書では、上記のような具体的な事例を含めたテクニックを5章に分けて、詳しく説明している。今まで心理学に興味がなかった人でも、わかりやすく解説されているので、仕事で活用してみたい人や、気になる異性にアタックしたいという人はぜひ読んでみてほしい。

文=冴島友貴