【第6回 料理レシピ本大賞・入賞】タマネギは水にさらしちゃダメ! あなたは「栄養ロス調理」やっていませんか?

暮らし

2019/9/13

『その調理、9割の栄養捨ててます!』(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部:監修/世界文化社)

 健康に気を配っている方は、普段から栄養価の高い食材を積極的に食べようと心がけているはず。しかし、せっかくそうした食材を口にしていても、損する調理法や保存法によって栄養をムダにしてしまっていることもあります。

 上記のような指摘をする『その調理、9割の栄養捨ててます!』(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部:監修/世界文化社)は、野菜、肉、魚、果物などに含まれる栄養がムダなく摂取できる方法を、オールカラーで分かりやすく解説。本書を手に取れば、食材の栄養を逃がさない“食べ上手”になれるのです。

■どうして栄養をムダなく摂る必要があるの?

 現代の日本人は7割が野菜不足に陥っており、食材に含まれている栄養素自体も昔より激減しています。例えば、ほうれん草の鉄分は1950年と比べ、85%も減少。ニンジンに至ってはビタミンAが3280μgも減っているため、1950年のニンジン1本に含まれていた栄養を現代で摂取するには相当な本数を食べなければいけません。

 こうした背景があるため、私たち現代人はいかに食材の栄養素を逃がさず効率よく摂取していくかを考える必要があるのです。

■一口大カットは栄養効果減!? 得するタマネギの切り方

 タマネギに含まれている「アリシン」は、血液をサラサラにし、代謝を促進。美肌にも効果があるので女性も積極的に摂りたい食材ですが、くし切りなど一口大にカットして食べてはいませんか? 実は「アリシン」は細かく刻んで細胞を壊さないと活性化しないため、みじん切りやすりおろしでないとうれしい効果は得られません。

 そして、タマネギの辛味を抜くために、切った後、水にさらすのも栄養面的にはNG。辛味のもとである「硫化アリル」は空気に触れると「アリシン」に変化するため、タマネギはみじん切りやすりおろしにした後、10分ほど放置するのがおすすめなのです。スープや煮物に使いたい時はいきなり茹でずに、まずは油で1分ほど炒めてから調理すると「アリシン」の流出を防ぐことができます。

 なお、甘みやコクが出る「あめ色タマネギ」はローカロリーですが、長時間の加熱によってビタミン類がほとんどなくなってしまうので要注意。栄養面を考えるのであれば、ほどよい加熱時間を心がけていきましょう。

■新常識! トマトの「リコピン」は増やせる

 肌や血管の老化を防いでくれる「リコピン」は、トマトに多く含まれている栄養素。シミやシワにも効果的なので、アンチエイジングのため意識的に購入している方も多いのでは? そんな方はぜひ「追熟」をして、リコピンを増やしてみてください。

 トマトは購入後、すぐに冷蔵庫へ直行させたくなりますが、もともとあたたかい地域で作られている野菜であるため、冷蔵庫に入れっぱなしだと低温障害を起こして「リコピン」が大幅にダウン。せっかくのアンチエイジング効果が期待できにくくなります。

 こうした状況を招かないためには少しかためのものを購入し、部屋で「追熟」を。トマトに含まれる「リコピン」は「追熟」によって最大60%もアップします。その際はひとつずつ新聞紙で包み、ヘタを下にした状態でカゴへ入れ、直射日光の当たらない15~25℃の場所で保存。追熟期間は夏場で2~3日、冬場なら1週間を目安にしましょう。

 目からウロコな食べ方の新常識を日々の中で活かしていけば、栄養をしっかりと吸収できるようになります。食べることは、体を作ること。「栄養ロス」を避けるには、少しの工夫と知恵で体に届ける栄養素を増やしていきましょう。

文=古川諭香