「『大切な人のために』という決意が、交差し、ねじれ、爆発する」「涙せずにはいられない」──書籍化すぐに『鬼人幻燈抄』続刊希望コメントの嵐!

文芸・カルチャー

2019/9/21

『鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々』(中西モトオ/双葉社)

 小説『鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々』(中西モトオ/双葉社)は、江戸から平成の世までを駆け抜ける長大な物語の、序章として位置づけられる一冊だ。WEB連載時に絶賛を博したこの物語、読者メーターには、書籍化されるやいなやこんなコメントが寄せられた。

切ない物語。多くの『大切な人のために』という決意が、交差し、ねじれ、爆発する。感動できる物語で、とても感情移入して読みました。文章も綺麗な描写が多く、読みやすかったです。(菜遊牙 NAYUGA)

書籍化の広告を目にするまで知らなかった傑作。(中略)全18巻になる長編の先が知りたくてWebに飛び、結末に到るまでに何度も涙した。作者の凄まじい力量と才能を感じさせられる和風ファンタジー。愛と憎しみは紙一重である。少しのボタンのかけ違えが悲劇を生んだ。170年に及ぶ兄妹の旅路の果てに鬼神が誕生する時、やるせなくて胸が苦しくて堪らなかった。最終巻まで購入を決めたので、どうか途切れることなく18巻まで刊行して欲しい。(瑠樹)

 物語の舞台は江戸後期天保の世、江戸から百三十里ほど離れた葛野の地。少年・甚太は、妹の鈴音とともに生家を離れ、この地へとやってきた。そこで彼が出会ったのは、雪のように白い肌、黒い髪を持つ少女・白雪。葛野の巫女〈いつきひめ〉である母と、その護衛である〈巫女守〉である父のあいだに生まれた彼女と、甚太、鈴音は、幸福な幼年時代を過ごす。

 だが、幸せなときは永遠には続かないものだ。

 十三年の月日が流れ、白雪は孤高の巫女〈いつきひめ〉を、甚太は巫女を支える〈巫女守〉を継いだ。たがいに想い合いながら、たがいの決意を重んじるがゆえ、ふたりの生は重ならない。そんなある日、集落を囲む森の中で、異形の〈鬼〉が目撃される。いつきひめより〈鬼切役〉を拝命した甚太は、鬼討伐に向かうのだが……。

油断する事勿れ…狂おしい程の愛と憎しみに胸が抉られるような痛みと哀しみに襲われる。相手を想い、役目を尊び、己の感情よりそこに生きる人々を大切にした故の悲劇。ほんの少しの想いの相違で崩れていく穏やかで幸せな日々。涙せずにはいられなかった。(後略)(えみ)

無垢な愛が狂気に変貌するダークファンタジー。各自それぞれの幸せを願うが運命が絡み合い裏目に…。過去を振り返る長い序盤だったがやりきれなさいっぱいだった。〈巫女守〉〈いつきひめ〉〈鬼〉時を超えた今後の展開が気になる。(ままこ)

 千年の時を生きることとなった剣士がみずからの胸に問う、刀を振るう意味とは、すなわち、生きる意味とは──。

 読者の期待の声に応え、2019年10月には、『鬼人幻燈抄 江戸編 幸福の庭』(双葉社)が刊行される。この話題の波に乗り遅れず、壮大な和風幻想譚をひもとこうとするならば、今が好機と言えるだろう。

文=三田ゆき