スラムダンクや人気アニメで見つけた「人生の名言」! つらいとき心に響く、あなたのための名言は?

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公開日:2019/10/18

『明日の自分が変わる 人生の名言』(池田書店編集部:編/池田書店)

「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」

 週刊少年ジャンプで連載された超人気作品『スラムダンク』。バスケ部の顧問として登場する安西先生のセリフは、多くの人の心に響き、皆が知る名言になった。

「名言」と聞くと、時代を築いた偉人たちのありがたいアドバイスであり、姿勢を正して聞かなきゃいけないような気がするものだ。だが、『明日の自分が変わる 人生の名言』(池田書店編集部:編/池田書店)で紹介される名言たちは、もっと気楽に読めて、親しみにあふれる言葉もいっぱいあり、いわば心に潤いを与えてくれるサプリメントのような印象だ。

1週間のどの日より、月曜日の朝を喜んでいいと思うわ。
だって、次の月曜日が来るまでにまる1週間あるんだもの。

 これはアニメ「愛少女ポリアンナ物語」の原作『少女パレアナ』(エレナ・ホグマン・ポーター)で登場した言葉。まるでとんちのように思うかもしれないが、月曜日の憂鬱をちょっぴり和らげてくれる。人生に必要なのは、こんな前向きさかもしれない。

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一日だけを生きればいい。
明日、明後日のことを考えるから面倒になる。

 これは『飢餓海峡』『雁の寺』などの名著を遺した作家・水上勉の名言。悩むことは悪いことじゃないけど、それにとらわれすぎると目の前が真っ暗になり、前に進むのもつらくなる。今何かが不安で仕方ないという人は、まず今日の分だけ精いっぱい乗り切ることを目標にしてはどうだろう。そうやって1日、1週間、1カ月と過ぎていけば、全体の状況も変わってくるかもしれない。

考えは言葉となり
言葉は行動となり
行動は習慣となり
習慣は人格となり
人格は運命となる

 まさしく名言中の名言、強固な信念でイギリスを立て直した「鉄の女」ことマーガレット・サッチャーの言葉だ。私たちは言葉を使って考え、行動している。言葉が美しいものであれば、その人の行動は誰からも好かれるだろう。反対に汚ければ、みんなに嫌われる行動を繰り返すだろう。言葉は行動を生み出し、それが日常となって、その人の人生を決定づけるのだ。

 人生では本当に色々なことが起きる。ときには食事も忘れて何かにのめり込むような精力的な日もあるかもしれないが、心が疲れて寝込んでしまうようなときもある。水上勉とサッチャーの言葉は、今日と未来に焦点を置いた、ある意味では両極端なもの。だがどちらが正しいか、という議論は必要ないだろう。どんなときにどんな気持ちでどんな名言を聞くか――それが聞く人に力を与える。本書を読んでいると、「いつどんな名言に出会うことができるだろう?」そんな期待を感じる。

本音を言わない人と付き合うくらいなら鳩といるほうがマシ!

 これはお笑い芸人・いとうあさこさんの名言だ。うん、現代人の叫びを痛快に表している。また、ハリウッド女優として一世を風靡したマリリン・モンローはこのような言葉を遺している。

自分のことを必要としない人間なんて必要ない。

 人はつらいときや不安なときほど、肯定的な言葉がほしくなる。「よく頑張ったね」とか「もう大丈夫」とか、そのときだけでもいいから安心感がほしい。本書で紹介される名言は、乾いた心にひとしずくの潤いを与えるはずだ。

一歩踏み出せるなら、もう一歩も踏み出せる。

 アメリカの登山家トッド・スキナーの言葉のように、背中を押してくれるような名言たちが、読者にそっと寄り添ってくれるだろう。

 最後に赤塚不二夫先生の名作『天才バカボン』の名言をご紹介しよう。

これでいいのだ。

 どんなときもこの一言が心から飛び出すような毎日を送りたい。そんな人生でありたい。

文=いのうえゆきひろ