「こっくりさん」をした人たちの恐ろしい結末とは? 京都で本当に起こった怪談と住職による説法集

文芸・カルチャー

更新日:2020/4/24

『続・怪談和尚の京都怪奇譚』(三木大雲/文藝春秋)

「怖いもの見たさ」とはよく言うが、好奇心で怖い遊びをしたり、曰く付きの場所を訪れたりした経験のある人は多いのではないだろうか。特に若い頃には、仲間との軽いノリからありがちなことだ。しかし、場合によっては恐ろしい結果を迎えることもある。『続・怪談和尚の京都怪奇譚』(三木大雲/文藝春秋)は、そのような人間の、ある意味業ともいえる行動を戒めてくれる書籍だ。

 筆者が本書で特に興味をひかれたのは「こっくりさん」。地域や世代によって違いはあるだろうが、小〜中学生の頃にやったことのある人、または近くで見ていた経験がある人もいるだろう。

 本書の説明によれば「こっくりさん」とはそもそも、明治時代に日本に漂着したアメリカ人が行った降霊術がもとになっているらしい。日本では「狐狗狸」の字を当てることもある。

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「狐狗狸」と書くことから、狐などを呼び出す遊びと考えられている地域もある。しかし、実際には何らかの霊を呼び出してしまったと考えられる事象も多く、体調が悪くなったり不可解なことが起こったりすることもあったそうだ。そのため、子どもが遊ぶこと自体を禁じた地域もあったとか。

 本書に書かれているのは、大人が遊びで行った「こっくりさん」にまつわる実話。ある社員寮で数名の社員が「こっくりさん」に興じたところ、知らない女性が降霊してしまう。「誰が(コインを)動かしてるんだ?」の問いに女性の名が示され、これに驚いた社員の一人がコインから指を離してしまうのだが、そこから社員寮で恐ろしいことが起こりはじめる。「こっくりさん」は帰ってもらうまで指を離してはいけないのがルールだ。そのルールを破ったことで社員寮がどうなっていったか、結末はぜひ本書で読んでほしい。

 もう1つ、今度は曰く付きの場所に遊び半分で行ってはいけないという話を紹介しよう。「船岡山公園」にまつわる話だ。ここはその昔刑場として使われていた、古くから曰くのある場所。そこで起こった殺人事件の現場に行こうと、男子中学生が数名で訪れたときの怪異事件だ。