貯め上手さんの共通点は“さしすせそ”!? 100万円が1年で貯まるお片付けの極意

暮らし

公開日:2019/12/4

『100万円が1年で貯まるお片付け』(きさいち登志子:著、荻原博子:監修/PHP研究所)

 お金持ちは、非凡だ。凡人の思いつかない発想ができるからこそ、人より多くお金が得られる。同時にお金の魔力を知っているため、お金を「夢や目標を叶えるために必要な手段」と考え、お金そのものを目的としていない。

 だが世の中には「お金を稼ぐ方法」的な本がたくさん出まわっている。みんな何だかんだいって、お金が好きなのだ。その好き度合いや方向性は人それぞれだが。

『100万円が1年で貯まるお片付け』(きさいち登志子:著、荻原博子:監修/PHP研究所)は、「お金を貯める」ためのノウハウがつまった本ではあるが、世にあるノウハウ本とは少しばかり違う。お金には換算しにくい「お片付け」に焦点を当てているためだ。

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 本書にはこう記されている。

“貯め上手さんの「さ」「し」「す」「せ」「そ」

「さ」…「サッと出し入れができる」
「し」…「幸せ感がある」
「す」…「捨て上手」
「せ」…「清潔」
「そ」…「備えがある」
ぜひ頭に入れておいてくださいね”

 この“「さ」「し」「す」「せ」「そ」の法則で生活を見直していくと、いつの間にかお金が貯まっていくようになるのです”とし、その具体的な方法が記載されているのだ。

 例えばキッチンまわりの洗剤については次のように語っている。

“台所用洗剤は、食器や調理器具の油汚れを落としてくれるもの。そもそも油汚れには強いのです”

 キッチンに揃えておく洗剤は台所用洗剤と漂白剤のみで良いと記している。あとは「お酢スプレー」があればキレイになるというのだ。もちろんお酢スプレーの作り方も本書に掲載されているので、参考にしてみるといいだろう。

 派手で真似しにくい節約術が載っている本ではない。むしろ今日からでも実践できる、お金を貯めるために習慣化しておくといい方法がつまっている。それはすべて生活に根付いているため、正直「地味」だ。きらびやかで一攫千金を狙うタイプのものではない。だがこういうことが日常的にできる人は、きっと大金を得たとしても、お金に惑わされずに地に足がついた生活ができるのではないだろうか。

“「一刻千金」! 考える時間がある人はお金も貯まります”

 その通りだ。考える時間がある人は、予定を立て自分に投資する余裕を作ろうとする。それが真の「お片付け上手」ということか。

 そういう意味でも、やはりこの本は単なるノウハウ本ではない。なぜそういう行為が大切なのかまで思いを巡らせながら読んでいくと、なかなか深いものがある。そういう気づきを得る楽しみのある本といえるだろう。

文=夏野久万