「ラブコメ」ではなく触手美少女が這いよる「ラヴコメ」である

ライトノベル

2012/5/23

這いよれ! ニャル子さん

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : SBクリエイティブ
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:逢空万太 価格:473円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「また、フツーの美少女が出てくるフツーのラブコメだろ?」と二の足を踏んでいるラノベファンに言いたい。単なるラブコメではないと。ラヴコメなのだと。そう、ラヴコメ(ハワード・フィリップス・ラヴクラフト’ズ コメディ)なのです(大事なことなので2回書きました)。

2012年4月現在で9巻までが発行されており、FLASHのアニメとFLASHではないアニメに加え、コミック化も展開されるなどの人気作品が、ここに電子書籍化。

どうにも名状しがたい(物事のありさまを言葉で表現しにくい)本作ですが、あ…ありのまま読んで感じたことを書いてみるぜ!

…ネタ満載である。
以上。このひと言に尽きます。

基本的には、SFホラー小説の大家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが作り上げた架空の神話体系である「クトゥルフ神話」を元ネタにしたコメディ作品なのですが、とにかくネタのオンパレードです。特にライダーネタ、ジョジョネタ、ゲームネタあたりがガンガンいこうぜ的に出てきます。一読で全部のネタがわかる、サブカル偏差値70台レベルの強者はいるのでしょうか。

ちなみにヒロインのニャル子は、「ニャル子」と呼ばれてはいますが、正体は前述の「クトゥルフ神話」で悪名高い邪神「ニャルラトホテプ」(別名:ナイアーラトテップ、ナイアルラトホテップ、ニャルラトテップ、など)であり、見た目は触手だらけのモンスターで、狂気と混沌をもたらすために“這い寄ってくる”ところから、タイトルが付けられています。

ところで、クトゥルフ神話において、ニャルラトホテプは物語を展開させるトリックスター的な存在です。

トリックスターは、一般的に精神が子どもだとか、幼児性の体現だとか、精神的に未熟な者が担うことが多いといわれています。精神的未熟さからくる無謀さ、無邪気さ、エキセントリックさ、自己顕示欲などが物語を引っ掻き回し、展開をおもしろくしていくのです。

本作のトリックスターも十分すぎるほど精神的に未熟で、だからこそデタラメな魅力があったりします。ニャル子が持つ、恐怖と萌えの混沌とした異色の魅力を、本作でぜひ。


冒頭のカラーページ。発色が鮮やか

お決まりのキャッチフレーズです

じつはすごいぞ、ニャルラトホテプ(の設定)

「ウボァー!」。主人公・真尋(男)を狙う黒い悪魔のおどろおどろしい鳴き声。あれ? どこかの高貴な人の名文句だったような気が…。ウボァーでググらないでくださいねゼッタイですよ?

「ウボァー!」の悪魔の断末魔。うん? こちらは、どこかのミジンコみたいな巨大生物の断末魔だったような気が…。グ……ズ……ギャアアアムでググらないように。このように、わかる人にはわかるネタ多しです